東京外かく環状道路の事業再評価に関する質問主意書

公的資金
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 山添拓 回答: 高市早苗 質問日:2025/11/26 回答日:2025/12/05

3行解説

POINT
  • 東京外かく環状道路の工事費用や事故への対応などについて、山添拓議員が詳細な説明や今後の見通しを政府に質問し、政府が現状や未決定事項を答弁した内容です。
  • 質問者は山添拓議員で、工事費増加やトンネル掘削時の事故、再評価の算定根拠の透明性、住民被害の扱いなど、事業運営全般にわたる疑問・要望をまとめています。
  • 答弁者は内閣総理大臣の高市早苗氏で、費用の詳細や今後の工事計画など多くが未確定としており、透明性や説明責任への要望には既存の手続きや進捗状況で対応していると述べています。

3分解説(くわしい説明)

東京外かく環状道路の再評価とその背景

山添拓議員は、東京外かく環状道路(外環)という大きな道路工事について、工事費用が大きく増えた理由や、工事中に起きた陥没事故への対応、工事の進め方や将来の完成の見通しについて、政府にくわしく質問しました。外環の工事費は2009年の計画時より2倍以上になり、しかも事故への対応費用などはまだすべて含まれていません。また、事故で工事が止まっていたり、住民への影響や今後の見通しが不透明な中で、政府がどう考えているかをたずねました。

主な質問内容と政府の答え

  • 工事中の陥没事故にかかった費用や、誰が負担するのか決まっていない部分が多く、現時点では詳しい数字や内訳は出せない、と政府(内閣総理大臣 高市早苗氏)は答えました。
  • 工事費用の増加については、材料や労働費の値上がり、事故の再発防止策、処分費用の増加など、6つの理由を説明しました。
  • 事業の完成時期(2030年度)については、現状で工程の正確な見通しが立っていないので、まだ正式な見直しはしていないとしています。
  • 費用や便益(どれだけ役に立つか)の算出方法についても、決まったマニュアルの通りに行っているが、細かな根拠や道路ごとの詳細までは公開が難しいという回答でした。
  • 事故で住民に被害が出た部分の評価方法や、工事設計のむずかしさについても、政府は決まったルールや現状説明をしていると答えています。

今後についてと課題

今回のやりとりでは、陥没事故への費用や負担者、事業の完成見通しなど、まだ分からないこと・決まっていないことが多いということがはっきりしました。政府(高市早苗氏)は今後、関係者同士の話し合いの結果を待ったうえで、決まった段階で詳しく知らせていく考えを示しています。一方で、山添拓議員が求めたよりわかりやすい説明や、住民が知りたい情報の公開については、既存の手続きの範囲で対応しているという答弁に留まっています。

  • 現段階で、全部の工事費用や事故費用は詳しく分からず、協議が続いています。
  • 住民への説明や東京都とのやりとりも、基本的な情報共有は行われています。
  • 今後は工事の進み具合や費用の詳細が分かり次第、追加の説明や見直しがされる予定です。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の議論普通の議論微妙な議論

この議論は、大規模公共事業における予算膨張、事故後の対応、および事業再評価の妥当性という、国民にとって極めて重要な論点を扱っています。質問者は、具体的な数値や過去の経緯、現地の状況(陥没事故や工事差し止め決定)に基づき、事業継続の判断根拠となる費用便益比(B/C)の信憑性を鋭く問うています。対する回答者は、手続き上の正当性や「現在協議中」という立場を崩さず、行政としての形式的な回答に終始しています。論点は明確に提示されていますが、核心部分(対応費用の未計上や完成年度の非現実性)において両者の主張は平行線のままであり、議論を通じた新たな合意形成や事実解明には至っていないため、この評価とします。

この議論は、大規模公共事業における予算膨張、事故後の対応、および事業再評価の妥当性という、国民にとって極めて重要な論点を扱っています。質問者は、具体的な数値や過去の経緯、現地の状況(陥没事故や工事差し止め決定)に基づき、事業継続の判断根拠となる費用便益比(B/C)の信憑性を鋭く問うています。対する回答者は、手続き上の正当性や「現在協議中」という立場を崩さず、行政としての形式的な回答に終始しています。論点は明確に提示されていますが、核心部分(対応費用の未計上や完成年度の非現実性)において両者の主張は平行線のままであり、議論を通じた新たな合意形成や事実解明には至っていないため、この評価とします。

この議論は、重要な公共事業を扱う点で社会的意義がありますが、全体的には構造的な問題を抱えています。質問者は実質的な懸念を複数提示していますが、回答側はほぼすべての質問に対して「現時点では判断困難」「協議予定」という形式的な回答を繰り返しており、実質的な論争が成立していません。議会質問としての機能(政府の説明責任を引き出す)が十分に果たされていない状態です。
質問の多くは正当な根拠を持つ(事業費が2倍以上に増加、陥没事故による工事停止、2030年度完成の根拠不明など)のに対し、回答は「決まっていない」「協議中」という逃げの論理で一貫しており、国会としての監視機能が実質的に機能していない点が問題です。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い質問良い質問良い質問

質問の質は非常に高く、議会質問として適切です。特に以下の点が優れています。 ・数値的根拠の提示:事業費が当初の2倍以上に膨れ上がっている事実や、費用便益分析における「その他道路」の比率の高さなど、客観的なデータを用いて矛盾を突いています。 ・論理的整合性の追求:陥没事故により5年以上工事が停止しているにもかかわらず、完成予定年度を据え置いたまま便益を計算していることの不自然さを論理的に指摘しています。 ・透明性の要求:分析業務の委託先や契約額、具体的な算出過程を問うことで、公共事業の透明性を確保しようとする姿勢が見られます。 この質問は、納税者である国民や、実際に被害を受けた周辺住民にとって大きな価値があります。一方で、事業の早期完成を望む層や行政当局にとっては、事業の停滞を招きかねない厳しい追及として映る可能性があります。

質問の質は非常に高く、議会質問として適切です。特に以下の点が優れています。 ・数値的根拠の提示:事業費が当初の2倍以上に膨れ上がっている事実や、費用便益分析における「その他道路」の比率の高さなど、客観的なデータを用いて矛盾を突いています。 ・論理的整合性の追求:陥没事故により5年以上工事が停止しているにもかかわらず、完成予定年度を据え置いたまま便益を計算していることの不自然さを論理的に指摘しています。 ・透明性の要求:分析業務の委託先や契約額、具体的な算出過程を問うことで、公共事業の透明性を確保しようとする姿勢が見られます。 この質問は、納税者である国民や、実際に被害を受けた周辺住民にとって大きな価値があります。一方で、事業の早期完成を望む層や行政当局にとっては、事業の停滞を招きかねない厳しい追及として映る可能性があります。

山添拓議員の質問は、以下の点で優れています。
質問の具体性と根拠の明確さが高い水準です。事業費が当初の1兆2800億円から2兆7600億円へ倍以上に増加した事実、2020年10月の陥没事故による工事停止、2022年2月の東京地方裁判所による工事差止仮処分決定という客観的事実を列挙しており、これらは国土交通省の提出資料にも記載されているものです。
質問の構成が論理的です。八つのカテゴリーに分けて、対応費用、事業費増加要因、完成年度の根拠、走行時間短縮便益の算出方法、陥没事故による住民被害の評価、地中拡幅部の設計状況、工事差止仮処分決定への言及、東京都の意見聴取など、多角的にアプローチしています。
費用便益分析の手法そのものに対する批判が妥当です。特に以下の点は説得力があります。対応費用が不明確なまま事業費に含めていない点、2030年度完成の根拠が「全体事業工程を正確に把握することが困難」という認識と矛盾している点、走行時間短縮便益が総便益の約90%を占めながら「その他道路」の定義や選定理由が非公開である点。
ただし一部の質問は、政府が技術的に答えられない設問になっています。例えば「その他道路に含まれる全ての道路の名称、区間、距離及び所在地」を要求することは、現実的な負担を考えると過度である可能性があります。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
微妙な答弁微妙な答弁あまり価値のない答弁

答弁は、形式的には質問項目ごとに応答していますが、実質的には「協議予定」「把握していない」「意味が必ずしも明らかではない」「困難である」といった表現が多用され、政策判断や事実認定を極力回避する姿勢が顕著です。特に、巨額の事故対応費用について「網羅的に把握していない」とする点や、完成年度の非現実性を認めつつ数値を据え置いた理由を「やむを得ず」とする点は、国を代表する答弁として説明責任の観点から弱さがあります。また、質問の趣旨が明確であるにもかかわらず「意味が必ずしも明らかではない」として論点化を避ける箇所が散見され、議論を実質的に前進させる姿勢には乏しいと評価されます。一方で、契約先や契約額など一部の事実情報については具体的に開示しており、その点は限定的ながら評価できます。

回答の質は、行政の定型的な対応としては成立していますが、誠実さや説明責任の観点からは不十分と言わざるを得ません。 ・情報の秘匿と回避:陥没事故の対応費用について「協議中」を理由に一切明かさず、事業費への算入も否定する姿勢は、事業再評価の本来の目的(効率性や透明性の向上)を形骸化させています。 ・非現実的な前提の維持:完成年度を「正確な把握が困難なため据え置いた」と認めながら、それを基にした費用便益比を肯定する回答は、科学的・客観的な評価として不適切です。 ・説明の拒絶:便益計算の根拠となる道路リストの提示を「膨大な作業を要する」として拒否する態度は、行政の透明性を損なっています。 この答弁は、現行の事業継続を正当化したい行政側にとっては「失言を避けた無難な回答」として価値がありますが、不透明な公金支出を懸念する国民や、真摯な回答を求める質問者にとっては、価値の乏しい、あるいは不誠実な内容となっています。なお、揚げ足取りのような稚拙な表現は見受けられませんが、論理的な矛盾を「やむを得ず」といった言葉で正当化する態度は、責任ある政府の回答として誠実さに欠ける側面があります。

政府答弁は、国会の監視機能を形骸化させる内容となっています。以下の問題点があります。
逃げの論理が一貫しています。一の1から一の5まで、そして二の3、三、四の1、六の2、七の1など、多くの質問に対して「現時点では決まっていない」「協議予定」「困難である」という形で回答を避けており、実質的な説明責任を果たしていません。政府が事業の責任者として「決まっていない」と述べることは、事業評価そのものの正当性に疑問を投じるものです。
不透明性の正当化が見受けられます。四の1で「その他道路に含まれる全ての道路の名称を網羅的に把握するためには膨大な作業を要する」とすることは、費用便益分析の透明性を求める要請を作業量を理由に拒否するもので、国会への報告義務を軽視しています。
矛盾する説明をしています。三の項で「完成年度を2030年度としたが、実際には全体事業工程を正確に把握することが困難」と認めながら、それでも同じ年度を据え置いたという説明は、事業再評価の根拠が脆弱であることを自認しているに等しいものです。
具体的な数字の提示は限定的です。二の1で「再発防止対策等の履行」による910億円の内訳は示されましたが、これは一例にすぎず、他の項目については「把握している限り」という条件付きの説明しかありません。
七の2で、陥没事故による東名側本線トンネル工事停止について「提出資料の五ページに『※掘進停止中』と記載されている」と反論していますが、脚注的な記載では「重要な事実の説明」とは言えず、質問者の指摘の本質を理解していません。
八の2で、住民不安への対応として「オープンハウス」や「広報紙」の発行を挙げていますが、これは情報提供であり、陥没事故による被害補償や工事差止仮処分への対応という実質的問題を何ら解決するものではありません。


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