第219回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第3号 令和7年12月4日(4/11)

災害対策
国会情報(会議録)
【衆議院】 219回 質問: 阿部祐美子 回答: あかま二郎横山征成橋本憲次郎大槻大輔吉田恭子成田浩司 開催:2025/12/04

3行解説

POINT
  • 東京都の離島で台風被害があった後の支援や防災について、阿部祐美子議員と関係省庁・大臣が話し合いました。
  • 阿部祐美子議員は、備蓄や財政・通信・廃棄物処理など離島特有の課題と支援の必要性を質問しました。
  • 防災担当大臣あかま二郎や各省の担当者は、地域特性に合った備蓄や財政支援、通信や廃棄物処理の強化、関係省庁連携による防災確保の方針を答弁しました。

3分解説(くわしい説明)

離島の台風被害と防災を考える

東京都の伊豆諸島・八丈島や青ヶ島で、大きな台風による被害が発生しました。阿部祐美子議員は、こうした離島が台風のあとの支援や防災でどんな問題をかかえているか、そして今後どうしたらよいかについて、政府の関係省庁や防災担当のあかま二郎大臣に質問しました。

阿部祐美子議員の質問内容

  • 島への物資や資材運搬が台風や天候で遅れるため、防災備蓄やガイドラインを離島の特性に合わせて見直してほしい。
  • 台風で被害を受けた町や村は住民が少なく財政的な打撃も大きいので、もっとしっかりとした財政支援を求めたい。
  • 被災者が支援を受けるための相談について、島でも受けやすくする仕組みやオンライン相談の強化が必要。
  • 災害時に通信が途絶えると不安が広がるので、離島の通信設備の強化も進めてほしい。
  • 台風で大量の災害ゴミや倒木、土砂が島にたまり、処理するのがとても大変なので、国の技術支援や財政支援を広げてほしい。
  • 防災では特に離島のような国境に近い場所での事前の備えが重要と訴えました。

関係省庁・大臣の答弁

  • 内閣府の横山征成政策統括官は、離島など地域ごとに必要な物資や数量を考えて備蓄するガイドラインを作ると答えました。
  • 総務省の橋本憲次郎官房審議官らは、財政的な面で八丈町や青ヶ島村の資金繰りや今後の税収減にも対応できるよう支援を続けると説明しました。
  • 総務省の大槻大輔官房審議官は、島での特別行政相談所やオンライン相談会の設置について自治体と相談して前向きに検討すると述べました。
  • 総務省の吉田恭子電気通信事業部長は、通信回線や基地局の強化、もし通信が切れた時の応急措置、災害対応体制を進めると述べました。
  • 環境省の成田浩司審議官は、災害ごみの運搬や技術面でも国が補助金やアドバイスで支援し続けると述べました。
  • 最後に防災担当大臣あかま二郎は、地理的制約の大きい島々について、必要な物資リストや省庁連携で防災力を高めていくとまとめました。

まとめ

今回の議論では、離島ならではの交通・通信・お金・ゴミ処理・人手などの問題を、国や自治体、関係省庁が協力して支援や改善していこうという方向で話し合われました。離島の防災は地域ごとの工夫や、みんなで協力することが大切だと、各答弁者が確認していました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
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本議論は、災害対策に関し特定地域(離島)固有の問題を具体的な事実に基づき多角的に質問し、それぞれの課題について専門的かつ実務的視点で政府各部門から説明と対応方針を引き出しているため、公共政策課題の掘り下げや国民的理解の増進に大きく貢献していると評価できます。各答弁は制度や支援方針の現状、今後の方向を明確に述べており、質問者側も礼節や根拠に十分配慮しています。国会議論として科学的根拠・実証性・公共性・再現性等の観点で高い適切性を有するため、全体として「良い議論」と評価します。

本議論は、離島という地理的・行政的特性を持つ地域の災害対策に焦点を当て、備蓄品のガイドライン被災自治体の財政支援行政相談のあり方通信インフラの脆弱性対策災害廃棄物の処理という多岐にわたる具体的な課題について、関係省庁の担当者を交えて質疑応答が行われています。

質問者は、自身の選挙区の具体例(八丈島、青ケ島での台風被害)に基づき、内地の災害とは異なる島嶼部特有のハードルを明確に指摘しており、問題提起は具体的かつ論理的です 。各省庁の政府参考人からの回答は、改正災害対策基本法に基づく指針策定の検討 特別交付税や地方債による財政措置 特別行政相談所の開設の検討 移動基地局などによる通信復旧支援 災害等廃棄物処理事業費補助金による財政支援 といった、現行の制度や今後の取り組みの方向性を示すものが中心です。

全体として、具体的な地域課題とそれに対する政府の具体的な対応の方向性について確認がなされており、政策議論としての価値はありますが、回答が「検討したい」「万全を期してまいります」「前向きに検討してまいります」「引き続き、取り組んでまいります」など、抽象的な表現や今後の検討に言及するものが多く、具体的な解決策や工程表が示された議論としては「良い議論」とまでは評価しにくいです。

この議事録は、災害対策の現場における具体的な課題を丁寧に質問し、それに対して複数の政府機関が体系的に応答する構造を持っています。特に以下の点が評価できます。

質問者(阿部祐美子委員)が、2024年9月の台風22号・23号による伊豆諸島(八丈島・青ケ島)の被害という実例に基づいて、①防災備蓄品のガイドライン②財政支援の具体的な見通し③行政相談の地理的アクセス④通信インフラ整備⑤災害廃棄物処理など、複数の省庁にまたがる課題を網羅的かつ論理的に指摘しています。各質問は、被災地から得た具体的な声を根拠としており、抽象的ではありません。

政府側の応答も、各担当省庁(内閣府、総務省、環境省)の政府参考人が具体的な対応を述べており、単なる「前向きに検討」という逃げに終始していません。例えば、環境省は災害廃棄物の具体的な推計値(約1.5万トン)を示し、補助金制度と技術的支援の両面での対応を明示しています。

最後に、防災担当大臣(あかま二郎)に対する質問では、「有人国境離島」という領土安全保障と防災を接続させる視点が提示され、単なる事後対応ではなく、離島における事前防災の必要性を体系的に訴えかけています。これは政策立案に直結する重要な指摘です。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
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質問者は、離島災害対策の実情に即した複数の論点(備蓄、財政、相談支援、通信、廃棄物、事前防災等)を根拠やデータ、具体的事例を踏まえて系統的かつ論理的に提示しています。単なる制度批判や揚げ足取りに走らず、現場の実効性や政策上の改善ポイントに踏み込んでいます。質問は行政に改善・調整の余地を認識させ、離島の住民、自治体、関連部局、政策決定者等幅広い関係者に価値がある内容です。特定地域の問題を通じ、政策の普遍的課題提起がなされているという意味でも「良い質問」と評価できます。

質問者(阿部(祐)委員)は、自身の選挙区である伊豆諸島・小笠原諸島における具体的な災害事例(台風22号・23号による土石流、家屋損壊、インフラ途絶など)を冒頭で提示し、議論の前提を明確にしています。

特に以下の点で「良い質問」と評価できます。

  • 課題の明確化と多角性: 離島という特性(本土からの距離、限定的な輸送力、小さな自治体の財政・職員不足、通信インフラの脆弱性、廃棄物処理場の制約など)を踏まえ、備蓄、財政、行政相談、通信、廃棄物処理という多角的な観点から課題を整理し、関係省庁(内閣府、総務省、環境省、国務大臣)に質問を振り分けています。
  • 具体性の提示: 救援物資の「三日分でいいのか」という備蓄量への疑問 や、行政相談の住所が「新宿区」となっているという実情の指摘 、災害廃棄物の推計値(家屋等1.5万トン、倒木等2.1万トン、土砂12万トン近く)の提示 など、具体的かつ説得力のある情報を用いています。
  • 政策提言の視点: 最後の質問では、離島を「国境離島」と捉え、「オール・ジャパンの問題」として事前防災の重要性を問いかけ、単なる復旧支援に留まらない、持続可能な島の未来という政策的な視点を含めています。

これらの質問は、離島に住む住民、災害対策に携わる地方自治体職員、および国の中央省庁関係者にとって、具体的な問題解決と政策検討を促す価値が高いものです。

阿部委員の質問には以下の質的特徴があります。

まず、質問の構成が論理的です。被災状況の説明から始まり、①ハード面(備蓄、通信、廃棄物処理)→②ソフト面(行政相談、財政支援)→③戦略面(事前防災と領土問題の接続)という階層的な構成になっています。

次に、各質問が「なぜその答えが必要か」という根拠が明確です。例えば、備蓄品ガイドラインについては「船便に頼る離島では3日分の備蓄で本当に十分か」という地理的制約に基づいた疑問を提示し、通信インフラについては「通信途絶が災害情報の入手を妨げ、孤立感につながる」という因果関係を述べています。

さらに、質問が「現場の声」に基づいている点が強みです。「町の職員が支援策に精通していない」「地元ではガイドブックの記載以上のことが分からない」といった現場の混乱を具体的に引用しており、データや統計だけでなく、被災者の実体験に根ざしています。

廃棄物処理に関する質問で、家屋からの発生量(1.5万トン)、倒木など(2.1万トン)、土砂(12万トン近く)という複数の数字を示し、「切り分けが町にとって負担」という現場の実際的な困難を指摘している点は、単なる「支援をしてほしい」という要望ではなく、行政サイドの調整課題を明確化させています。

最後の大臣への質問も秀逸です。「国境離島での災害は、島だけの問題ではなく、オール・ジャパンの問題」という視点は、防災政策を領土・安全保障戦略と結びつけるもので、単なる地元対策ではなく国家的視点を提供しています。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
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各省庁の答弁者は、根拠となる現行制度や実際の対応措置・今後の改善予定について、簡潔に事実と科学的な方針を述べており、質問に正面から対応しています。また、自治体の実情や財政措置、技術支援の仕組み、速やかな対応方針の説明に加え、柔軟な現場支援・改善の余地や横断的連携意思も確認されており、行政としての説明責任・改善責任を誠意を持って果たしています。答弁の質が高く、離島住民・自治体・学術関係者・国民など広く価値がある内容であり、「良い答弁」とします。

各省庁の政府参考人からの答弁は、質問の論点に沿っており、現行制度や今後の検討方針について言及しているため、回答の形式としては適切です。

  • 肯定的・前向きな姿勢: 備蓄品のガイドライン検討 、特別交付税等による財政運営への万全の措置 、特別行政相談所の「前向きな検討」 、移動基地局の整備支援 、災害廃棄物処理への補助金と技術的助言 など、被災地への支援と今後の対策に前向きな姿勢を示しています。

しかしながら、「普通の答弁」に留まる理由は以下の通りです。

  • 具体性の不足: 多くの回答で「検討したい」「万全を期してまいります」「前向きに検討してまいります」「引き続き、取り組んでまいります」といった抽象的で一般的な表現が多く、具体的な実施時期、予算、目標値、あるいは検討のロードマップなど、政策の進捗を測れる具体的な情報は乏しいです。
  • 質問の核心への深堀りの不足: 質問者が求めていた「島嶼部特有のハードル」を乗り越えるための、既存制度を超えた革新的な対応策や、災害廃棄物処理における「倒木と土砂」の横串を刺した支援体制 に対する、踏み込んだ回答や明確な助言が不足しています。

回答は、被災地の住民や地方自治体職員にとっては、国が支援を検討しているという安心材料となり価値がある一方で、具体的な解決策や見通しを求めている人々にとっては、抽象的な内容が多く、実質的な価値は限定的であったと言えます。

政府側の応答には強みと弱みがあります。

強み:内閣府、総務省、環境省の各部局長が数値や具体的な対応を提示している点は評価できます。例えば、横山政府参考人(内閣府)は「本年7月の改正災害対策基本法に基づいて、自治体が備蓄すべき品目・数量の指針を策定する」と明示的に述べており、阿部委員の指摘に対して具体的な政策対応を示しています。橋本政府参考人(総務省)も、前倒し交付税や特別交付税、地方債による支援の方針を明確にしており、単なる「対応します」ではなく、具体的な施策を名指しています。環境省の成田政府参考人も、補助金対象の明示と技術的支援の派遣を述べています。

弱み:ただし、いくつかの回答が「前向きに検討する」で止まっている点が課題です。例えば、大槻政府参考人(総務省自治行政局)による行政相談についての回答は「八丈町ともよく連携をして、被災者のニーズ等を踏まえつつ、前向きに検討してまいります」という表現で、具体的な実施時期や形態を示していません。これは質問者が「面対面相談が必要」という明確なニーズを提示したにもかかわらず、その具体的な応答になっていません。

通信インフラに関する吉田恭子政府参考人(総務省)の回答も、やや迂回的です。離島での通信復旧コストについて、「事業者にしっかりやってもらう」という前提を置きながらも、「離島での運搬費などについても支援する」という具体的な言及は曖昧です。

最後の大臣答弁(あかま二郎防災担当大臣)は、質問の重要性を理解し、「有人国境離島」「領土」という視点を認めつつ、具体的な新規施策の提示がありません。「過去の経験も生かす」「各省庁との連携」「より強く推し進める」といった一般的な表現に終始しており、質問者が提示した「事前防災をどのように持続可能にするか」という戦略的な問いに対して、戦略的な応答になっていません。

総じて、現場の具体的な困難に対して、既存の制度枠組みの中での対応は示しているものの、その制度枠組み自体が離島のような特殊性に対応しきれていないという構造的な問題に対しては、十分な応答ができていないと言えます。


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