千九百三十六年の危険薬品の不正取引の防止に関する条約第二条(c)の共謀に関する質問主意書

司法
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 伊勢崎賢治 回答: 高市早苗 質問日:2025/10/28 回答日:2025/11/07

3行解説

POINT
  • 危険な薬の不正な取引を防ぐ1936年の国際条約の『共謀』規定について、政府が日本でどのように扱っているかを問うやりとりです。
  • 質問者は伊勢崎賢治議員で、『共謀』という言葉の意味と日本のどの法律で条約内容が守られているかを質問しています。
  • 答弁者は内閣総理大臣の高市早苗氏で、条約内に明確な『共謀』の定義はないが、日本では刑法の共犯にあたると説明し、該当する国内法も示しています。

3分解説(くわしい説明)

やりとりの背景

このやりとりは、1936年につくられた『危険薬品の不正取引の防止に関する条約』という国際的な約束ごとについての内容です。この条約では、危ない薬を違法に売ったり買ったりすることを世界の国々でしっかり罰しましょうという取り決めがあり、その中でも『共謀』—つまり他の人と一緒に悪いことをしようと計画すること—をどのように法律でさばくべきかが話題になりました。

伊勢崎賢治議員の質問

伊勢崎賢治議員は、「条約に書いてある『共謀』という言葉はどういう意味なのか?日本のどの法律でこの共謀の部分が守られているのか?」と政府に質問しました。

高市早苗総理大臣の答弁

これに対し、内閣総理大臣の高市早苗さんは、「この条約の中には『共謀』の意味がはっきり書かれていません。ただし、日本の政府の考えでは、他の人と話し合って違法な薬の取引をしようと計画すること(共謀)は、日本の『刑法』に書いてある『共犯』と同じ意味になります」と説明しました。

また、高市さんは、日本では『麻薬および向精神薬取締法』という法律の第64条から第68条の2、それと刑法の共犯に関する章によって、こうした共謀を取り締まっていると説明しました。

まとめ

  • 『共謀』という言葉は条約には定義がないが、日本では刑法の『共犯』と似た意味です。
  • 日本国内では、麻薬向精神薬取締法や刑法によって、こういった悪い薬の取引を防いでいます。
  • 今回の議論では、条約の内容をどう日本の法律で守っているか、確認が行われました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い議論普通の議論まあまあ良い議論

本件の議論は、危険薬品の不正取引防止条約における『共謀』の定義と、その国内法上の担保について、明確かつ論点を絞って質問と答弁が行われています。質問内容はシンプルですが、具体的に条文に即した解釈と国内法の関係を確認するもので、国会議論として情報の精度と事実確認の精緻さが担保されています。揚げ足取りや礼節を欠く姿勢、もしくは稚拙さも見受けられませんでした。質問と答弁のやり取りが政策や立法府の運用の明確化に資する内容であり、その意味で「良い議論」と評価できます。

この議論は、国際条約上の用語である「共謀(conspiracy)」が、日本の国内法においてどのように定義され、どの条文で担保されているかを確認するという、法解釈の整合性を問う実務的な内容です 。質問・回答ともに簡潔であり、憲法や国際法の観点から特段の対立が生じているわけではなく、既存の法的解釈を公的な記録(答弁書)として残すという国会質問の基本的な役割を果たしています 。

この議論は、1936年の国際条約における「共謀(conspiracy)」という法的概念の定義と、その国内法上の担保措置を確認する技術的な質問です。

良い点として、以下が挙げられます。

  • 質問は具体的かつ明確で、条約解釈と国内法整備という重要な法的論点を扱っています
  • 国際条約の履行状況を確認することは立法府の重要な監視機能です
  • 回答も具体的な法令を挙げて説明しており、透明性があります

一方で、以下の限界があります。

  • 質問が純粋に技術的・確認的であり、政策的論点や問題意識が見えません
  • なぜこの1936年の古い条約について今問う必要があるのか、背景や問題意識が示されていません
  • 議論の深まりがなく、一問一答で完結しています
  • 質問の実質的な政策的価値(なぜ重要か、何が問題か)が不明確です


技術的には適切ですが、議会質問としての政策的意義や問題提起が弱いため、「まあまあ良い議論」と評価します。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い質問まあまあ良い質問普通の質問

質問者は、条約上の『共謀』概念の法的定義、および国内法でどのように担保されているかについて具体的かつ条文を示して質問しています。抽象論だけでなく、日本の法体系への理解を前提として条文の適用関係について事実ベースで整理する視点は高く評価できます。条約の履行義務に関わる現状確認としても官僚や立法担当者、法律家、研究者に価値があります。一方、一般国民にはやや専門的ですが、公開資料として意義がないわけではありません。

質問者は、1936年の古い条約を持ち出し、その中の「共謀」という概念が現代の日本法(特に刑法の共犯規定や麻薬取締法)とどう対応しているかを明確に問うています 。これは法の不備や解釈の曖昧さを突くための基礎的な確認作業として適切です。感情的な言動や揚げ足取りは見られず、論点を絞った論理的な構成になっています 。ただし、この質問がどのような具体的な政策課題や社会問題に直結しているのかという背景が見えにくいため、「良い質問」の一歩手前の評価となります。

質問の形式面と内容面で評価が分かれます。


形式面での長所:

  • 質問は明確で、法的に正確な用語を使用しています
  • 条約の条文と国内法の対応関係という、確認すべき重要な論点を扱っています
  • 質問の構成は論理的で、定義の確認(質問一)から国内担保法の確認(質問二)へと進んでいます

内容面での課題:

  • なぜこの質問をするのかという問題意識や背景説明が一切ありません
  • 1936年の条約について令和7年(2025年)に問う理由が不明です
  • 現在の薬物政策における課題や、共謀罪の概念に関する解釈上の問題など、具体的な政策的文脈が示されていません
  • 純粋に技術的・確認的な質問にとどまり、政策提言や改善要求に繋がる要素がありません

この質問は法務省や厚生労働省の担当者に聞けば済む事務的確認事項に近く、国会での質問主意書として扱う必然性が弱いです。議会質問は政策的意義や監視機能を持つべきですが、この質問からはその意図が読み取れません。
技術的には適切ですが、議会質問としての付加価値が低いため、「普通の質問」と評価します。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い答弁普通の答弁まあまあ良い答弁

回答者は、『共謀』の定義が条約自体にないことを明示した上で、国内法における解釈(刑法上の共犯として運用)、および担保法規を具体的に明示しており、誤解の余地がない形で法的な現状を説明しています。事実に即しており、過剰な一般論や曖昧な抽象論、あるいは責任回避的姿勢もなく適切に科学的知見・客観的法体系を説明した良い答弁と評価できます。法律実務者や行政担当者、研究者にとっては非常に有用ですが、一般向けにはやや平易さに欠ける点は否めません。

政府の回答は、質問に対して正面から、かつ簡潔に答えています 。条約に定義がないことを認めた上で、刑法の「共犯」規定と同一視している政府見解を明確にし、具体的な担保法(麻薬及び向精神薬取締法等)の条数を列挙している点は、行政としての透明性を保っています 。一方で、なぜ「共謀」が刑法の「共犯」概念に包含されるのかといった法理的な深掘りはなく、必要最低限の回答に留まっているため、平均的な評価となります。

質問者の質問が価値があった対象:

  • 法学者や法曹関係者(条約と国内法の整合性に関する政府の公式見解を知る必要があるため)
  • 国際刑事法に関心を持つ市民や研究者
  • 薬物犯罪に関する立法措置の経緯を調査する実務家

質問者の質問が価値がなかった対象:

  • 具体的な生活支援や経済対策を求めている一般有権者(抽象的な法解釈の議論であるため)
  • 条約の文言解釈に興味のない層

回答者の答弁が価値があった対象:

  • 質問者(公式な政府答弁を得るという目的が達成されたため)
  • 法務省・厚生労働省等の実務担当者(今後の法運用における解釈の拠り所となるため)

回答者の答弁が価値がなかった対象:

  • 「共謀罪」等の議論において、より詳細な人権への影響や運用の懸念に対する説明を求めていた層(事務的な条文の列挙に終始しているため)

回答は技術的には適切ですが、いくつかの観点から評価できます。


良い点:

  • 質問に対して直接的かつ明確に回答しています
  • 条約には定義規定がないことを率直に述べた上で、政府解釈を示しています
  • 国内担保法として、麻薬及び向精神薬取締法の具体的な条文と刑法の該当章を明示しており、透明性があります
  • 法的根拠を明確に示しており、検証可能性があります

課題点:

  • 「共犯に当たるものであると考えている」という解釈を示していますが、その理由や根拠が説明されていません
  • 国際法上の「conspiracy」概念と日本の刑法上の「共犯」概念が本当に同等なのか、解釈上の議論の余地はないのか、説明がありません
  • 形式的に担保されているという説明にとどまり、実質的な履行状況や課題についての言及がありません

この回答は質問に対する最低限の説明責任は果たしていますが、より深い理解を促すような説明や、政策的文脈の提供はありません。質問が技術的・確認的であるため、回答もそれに応じた水準になっていると言えます。
技術的には適切で透明性もありますが、説明の深さに欠けるため、「まあまあ良い答弁」と評価します。


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