第218回国会 参議院 予算委員会 閉会後第1号(9/9)

子ども・教育
国会情報(会議録)
【参議院】 218回 質問: 奥田ふみよ 回答: 赤澤亮正 開催:2025/09/12

3行解説

POINT
  • 内容:高齢者の暮らしの厳しさや低い年金額の問題について、奥田ふみよ議員が例を挙げながら質問し、赤澤亮正国務大臣が所管外である点を述べつつ関連する意見を返したやりとりです。
  • 質問者(奥田ふみよ議員):高齢者が月5万円ほどの年金で生活できない現状を説明し、生活が苦しい人が多いことや、子どもの自死の増加などへの政府対応を問いただしました。
  • 答弁者(赤澤亮正国務大臣):年金は自分の担当ではないと前置きし、質問は所管大臣に行うべきと述べたうえで、米国の関税の話を自身の担当に関連付けて説明しました。

3分解説(くわしい説明)

この質疑では、れいわ新選組の奥田ふみよ議員が、高齢者の厳しい生活実態について具体的な例を挙げながら質問しました。奥田議員は、福岡県で出会った75歳の男性が、国民年金が月6万円ほどで、介護保険料を引かれると手取りが月5万円程度になってしまい、生活が成り立たないと訴えていたことを説明しました。さらに、こうした状況は他にも多くあると述べ、国が老後の生活を十分に保障できていないのではないかという問題を提示しました。

奥田議員は、政府へ提出した質問主意書で「基礎年金を引き上げるべきではないか」と質問したところ、政府は「年金だけで生活のすべてをまかなう制度ではない」「憲法で定めた最低限度の生活を保障していない状態とは考えていない」と回答したと説明しました。奥田議員は、この回答に強い疑問を示し、「これでは高齢者が健康で文化的な最低限度の生活を送れているとは言えず、憲法25条に反するのではないか」と主張しました。

さらに奥田議員は、非正規雇用や年金額の低さなどが「自己責任」とされる風潮を批判し、こうした状況が子どもたちの生活や心にも悪影響を与えていると述べました。特に、子どもの自死が増えていることを指摘し、政府はその危機を十分に受け止めていないと訴えました。
また、自身に寄せられた多くの相談の声を紹介し、「子供たちを守るために政治を変えたい」と語りました。

これに対して 赤澤亮正国務大臣は、まず「この場は予算委員会であり、所管の違う大臣に年金の質問をしても建設的な議論にならないので、担当の福岡大臣を呼ぶべきだ」と述べました。年金問題は自身の担当ではないという立場を明確にしています。

そのうえで赤澤大臣は、奥田議員が触れた「アメリカの関税」に限って自身の担当分野に関連づけて説明を加えました。「関税がインフレを引き起こすという指摘があり、そうなると円高につながる可能性がある。円高になれば輸入品の値段が下がり、物価高で困っている人には良い影響があるかもしれない」と述べました。

最後に奥田議員は、時間が少ないことを理由に追加の質問はせず、「国会議員ならすべての国民を守るべきだ」と強調して質疑を終えました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
あまり価値のない議論あまり価値のない議論あまり価値のない議論
  • 質問者の発言が、制度的質問ではなく「所管外の大臣に対する政治的演説」に近く、国会の本来機能である政策審議として成立していませんでした。
  • 質問が年金制度・子どもの自死・税制・生活保護・野党対応まで広がり、論点が整理されていませんでした。
  • 質問者が事実に基づく数字の提示や制度の仕組みへの具体質問を行わず、答弁可能な構造になっていませんでした。
  • 答弁者は所管外である旨を説明し、議論を制度的に整えようとしたが、質問が議論形式を満たしていなかったため、生産性のある往復にはなりませんでした。

国会における質疑応答としては、建設的な議論の成立に必要な基本要件を満たしていないためです。

  • 質問と答弁の不一致: 質問者は主に年金・老齢者の生活困窮という厚生労働大臣や総理大臣などが所管するテーマについて提起しました。しかし、答弁者は赤澤亮正国務大臣であり、年金に関する所管を持っていませんでした。このため、質問者が提起した主要な論点(年金制度、憲法25条)について、実質的な政策判断や制度改正に向けた答弁が一切得られず、議論がかみ合いませんでした。
  • 議論の焦点: 質問者は具体的な政策論議ではなく、政府の姿勢や憲法への認識を感情的に訴える演説形式での発言に終始しました。これに対し、答弁者も質問の趣旨から外れた「米国の関税」に無理やり絡めた回答を一部行うにとどまり、質疑応答としての形式が崩壊していました。
  • 礼節と冷静さの欠如: 答弁者は質問者の発言形式を「れいわの皆さんの何か演説会場に紛れ込んだのか」と表現し 、質問者は答弁者に対し「いろいろ言い訳をせずに、国会議員であれば全ての国民を守れ」と、役割の違いを無視した主張で応答しており 、冷静で生産的な国会審議の場としての適切なやり取りとはいえません。

この質疑は議会質問としての基本的な構造を欠いており、建設的な政策議論に至りませんでした。

第一に、時間配分の問題があります。5分という限られた時間で、年金制度、子どもの自死、ガソリン税、生活保護など複数の重要テーマを扱おうとした結果、どの論点も深掘りできませんでした。質問者自身が「はいかいいえのみでお答えください」と指定したことで、答弁者が説明する機会を最初から排除しています。

第二に、所管大臣への質問という原則が守られませんでした。年金制度について赤澤大臣に質問していますが、赤澤大臣の担当分野ではありません。議会質問では、政策を実際に決定・執行できる担当大臣に質問することで、具体的な回答や政策変更の可能性を引き出せます。この原則を無視したことで、実質的な政策議論が不可能になりました。

第三に、質問の目的が不明確です。具体的な政策提案や数値に基づいた改善案がなく、「憲法違反だ」という主張と感情的な訴えに終始しています。質問主意書への政府回答を引用していますが、その内容を深掘りする質問はありませんでした。

第四に、議論ではなく一方的な演説になっています。答弁者の応答を求めない形式で進行し、最後は「いろいろ言い訳をせずに」と答弁そのものを否定しています。

結果として、この質疑から具体的な政策の前進や問題解決の糸口は何も生まれませんでした。重要な社会問題を提起しながら、それを建設的な議論に発展させる機会を自ら放棄した形になっています。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
微妙な質問微妙な質問微妙な質問

・扱っているテーマ(高齢者貧困・年金・子どもの自死など)は非常に重要であり、問題提起そのものには社会的価値があります。
・しかし「国会質問」として見ると多くの問題がありました。

事実に基づく評価ポイント:

  • 質問が、答弁者の所管ではない「年金制度」「子どもの自死」「生活保護制度」などに及んでいた
  • 質問としての形式を欠き、政治的演説の比率が高かった
  • 客観データ・制度比較・改善案などが提示されておらず、検証可能な議論に向けた構造がない
  • 相手に答弁を求められない「感情的断定」が多く、質疑として成立しない部分が多かった
  • 相手に「はい・いいえ」で答えることを強制する場面があるが、それ自体が不適切で、制度議論を妨げている
  • 時間制限を考慮した構成がなされておらず、議論を深める工夫が見られない

以上により、質問の内容の価値は高いが、議会質問としての質は低く、政策議論に寄与していません

価値があった点:

  • 年金が少なく生活に困っている老齢者の深刻な実態を、具体的な事例(氷を抱えて暑さをしのぐ、裸同然の服装など)を挙げて訴えたことは、国民の課題意識を高める上で価値があります。
  • 「国民年金を40年間納めた人でも生活できない」という事実は、制度的な欠陥への問題提起として重要です。

価値がなかった点 (不適切性):

  • 担当大臣の選択ミス: 質問の核である年金制度は赤澤大臣の所管ではないにも関わらず、質疑を強行したことは、建設的な政策論議を放棄した行為であり、審議時間の浪費につながりました。
  • 形式の不適切性: 質疑応答というよりも政治的な演説に近い形式であり、質問時間の大半を演説に費やし、建設的な議論を行う意図が希薄でした。
  • 「自己責任論」への短絡的な批判: 政府が「年金だけで生活の全てを補うものではない」と答えたことに対し、「必ず自己責任って言ってきます」と断定的に決めつけており、冷静な政策分析の妨げとなる、感情論に偏った批判でした。

質問者の問題提起には一定の価値がありますが、議会質問としての手法に多くの問題があります。

価値がある点:

高齢者の生活困窮という重要な社会問題に光を当てました。月5万円で暮らす具体的な事例は、統計では見えにくい個人の苦境を可視化するものです。基礎年金が満額でも月6万5千円程度という事実の指摘は、制度の限界を示す重要なデータです。子どもの自死が増加している問題も、看過できない重要課題です。

問題がある点:

第一に、所管外の大臣への質問です。年金制度について決定権限のない赤澤大臣に質問しても、制度変更につながる答弁は得られません。これは質問時間の浪費であり、本来質問すべき厚生労働大臣への質問機会を失うことを意味します。

第二に、質問形式が不適切です。「はいかいいえのみ」という制限は、複雑な政策課題に対する説明を封じるものです。また「5分しかない」と自ら述べながら、その時間の大半を自身の演説に使い、答弁を求めない構成になっています。

第三に、具体的な政策提案がありません。基礎年金を「引き上げるべき」とは述べていますが、財源をどうするのか、いくらに引き上げるべきか、段階的実施の計画など、実現可能な提案が一切ありません。

第四に、議会の場にふさわしくない表現が含まれています。「腐れ政治」「子供殺しとる」「茶番」「いいかげんにしろ」といった感情的で攻撃的な言葉は、建設的な議論を阻害します。

第五に、事実と意見の混同があります。「無策の政府は子供殺しとる」という表現は、因果関係の科学的検証なしに断定しています。子どもの自死の原因は多様で複雑であり、このような単純化は問題の本質を見誤らせます。

この質問は、重要な問題提起をしながら、それを政策改善につなげる機会を自ら放棄しています。有権者へのアピールとしては一定の効果があるかもしれませんが、議会質問としての価値は限定的です。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
まあまあ良い答弁あまり価値のない答弁まあまあ良い答弁

良かった点:

  • 所管外であることを明確に説明し、制度的に正しい対応を求めた(これは議会答弁として妥当)
  • 質問内容が散漫な中、答弁が可能な範囲として「米国関税の影響」を説明するなど、最低限の職務上の答弁を行った
  • 質問の形式が議会審議に適さない点を冷静に指摘した

改善が望ましい点:

  • 質問者の演説への言及(「演説会場に紛れ込んだかと思った」)は、議会答弁として適切ではない側面がある
  • 所管外と述べた上で、政府の他省庁の基本方針を代わりに説明する姿勢を取ることも可能だった
    (ただしこれは義務ではないため評価減は大きくない)

総合的に見ると、質問が制度的に成立していない中で、答弁者は可能な範囲で議論を整えようとしており、妥当性は高いと判断できます。

  • 価値があった点:
    • 質問の主要テーマである年金は自身の所管外であるという事実を、議論の冒頭で明確に指摘しました。国会審議の効率化のためには、所管大臣を呼んで質疑すべきという指摘は、議会運営上の正論です。
  • 価値がなかった点 (不適切性):
    • 礼節を欠く態度: 質問者の発言を「れいわの皆さんの何か演説会場に紛れ込んだのかと錯覚するような状態」と表現した点は、答弁者として国会の場における礼節を欠くものであり、稚拙な印象を与えました。
    • 不適切な答弁: 質問の主要テーマから逃れ、自分の所管に「無理やりこじつけて」関連性の低い「米国の関税」と「円高」の話を持ち出し、実質的な答弁を避けました。これは、国民の関心事である「老齢者の生活」という問題提起に対し、国務大臣としての真摯な対応を欠いたと言わざるを得ません。
    • 問題のすり替え: 質問の核である「低年金による生活苦」と「憲法25条」の問題提起に対し、所管外であるという指摘に終始し、国務大臣として政府の統一見解や、最低限の生活保障に関する政府の基本的な姿勢を示す努力をしませんでした。

赤澤大臣の答弁は、限られた状況下で適切に対応しています。

適切だった点:

第一に、所管外である事実を明確に指摘しました。「福岡大臣が持っておられるような所管持っているわけではありません」という説明は、議会運営の基本原則を示すものです。所管外の大臣に質問しても政策決定につながらないため、この指摘は建設的です。

第二に、冷静さを保ちました。感情的な言葉を多用した質問に対しても、礼儀を保ちながら応答しています。「一瞬れいわの皆さんの何か演説会場に紛れ込んだのかと錯覚」という表現は、やや皮肉を含みますが、議会質問のあり方について問題提起する意図が読み取れます。

第三に、自分の所管に関連付けて可能な範囲で応答しようとしました。米国の関税措置が円高を招く可能性があり、輸入品価格の低下につながるかもしれないという経済分析は、自身の担当範囲での貢献です。

課題がある点:

冒頭で「選挙のたびに暮らしていけるようにしてくださいといって手を握るような方たちから声をいただいて、政治をやらせていただいております」と述べましたが、これは質問者の「一か月五万円で生活したことありますか」という質問への直接的な回答になっていません。「はいかいいえ」で答えるべき質問に対し、別の話題で応じたことは、答弁回避と受け取られる可能性があります。

また、所管外であることを理由に実質的な答弁を避けたことは正当ですが、より建設的には「担当の福岡大臣に質問することをお勧めします」と早い段階で明確に誘導することもできました。

総合的には、所管外の質問に対して適切に対応し、議会運営の原則を守ろうとした点で評価できます。ただし、質問者が提起した高齢者の困窮という問題自体には何も答えていないため、国民にとって有益な情報は得られませんでした。これは答弁者の責任というより、質問の構造的な問題によるものです。


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