特定利用空港・港湾に係る経費等に関する質問主意書

公的資金
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 福島みずほ 回答: 高市早苗 質問日:2025/11/20 回答日:2025/11/27

3行解説

POINT
  • 防衛費のうち特定利用空港・港湾やいろいろな経費の内訳について、議員から政府に質問がありました。
  • 福島みずほ議員が、防衛のために使うお金の詳しい内訳や空港・港湾の対象、費目の意味などを細かく聞きました。
  • 内閣総理大臣・高市早苗氏は、経費の一部はまだ詳しく決まっていない・答えられないこともあるとしつつ、予算額や考え方について分かる範囲で答えました。

3分解説(くわしい説明)

防衛費の内訳についてのやりとり

今回の質問は、福島みずほ議員が政府に対して「特定利用空港・港湾」など防衛にかかわるお金の使い方について、細かく教えてほしいと聞いたものです。国の予算で、防衛力を強くするために2027年度までにお金をどのように使うのか、また、そのお金はどんな分野に使われるのかなどについて、議論されました。

主な質問と答弁の内容

  • 特定利用空港・港湾にかかるお金は「公共インフラ整備」のお金に含まれるのか、防衛力整備のためのお金に入るのか ─▶ これは公共インフラ整備に入ると高市早苗内閣総理大臣が答えました。
  • 2027年度までに使う1兆円の内訳(研究開発・インフラ・サイバー安全・国際協力)と、その細かい内容や予算を分けて示してほしい ─▶ 詳しい内訳はまだ難しくて言えないが、主に研究開発とインフラが多いとの答えでした。
  • 各分野ごとの過去数年の予算額は? ─▶ 各年度ごとの予算を、分かる範囲で答えました。
  • どの空港や港湾を特定利用に選ぶのか場所と数を教えてほしい ─▶ 必要に応じて追加していくため、まだ決まっていないと答えました。
  • 「関連省庁のお金0.9兆円分」の内訳や、もし一括で決めているなら理由を教えてほしい ─▶ NATOの基準などを参考にしたが、それ以上の詳しい内容は現時点で分からないという答えでした。
  • 複雑な言い回しの各経費(「など」)が何を指すか具体的に教えてほしい ─▶ 戦没者の遺骨収集、国連PKOへの協力、国家安全保障局、防衛駐在官への給料、市町村への交付金などが含まれること、米軍駐留経費の「など」には今まで該当するものはなかったこと、などを挙げました。

小学生にもわかるポイントまとめ

  • 防衛のお金の多くはまだ細かいことが全て決まっているわけではなく、工事や研究などざっくり分けたお金の予定があること
  • 新しく特定利用として使う空港や港は、追加されるかもしれないので今は決まっていない
  • 「など」で表現されている経費も一部、今わかっている内容を政府が説明している

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
まあまあ良い議論普通の議論まあまあ良い議論

質問者は防衛関連経費の予算の詳細や内訳、定義、基準について具体的かつ多面的に問い、国会での予算審議の適切な透明性確保という観点から意義のある質問をしています。他方、回答者側は一問ごとに不明点や「現時点で確たることを申し上げることは困難」とする記述が多く、データや定義の不足や、明確な積算根拠の提示に消極的な部分が散見されます。全体として論点自体は重要で、一定の質を保った議論と言えますが、回答の不十分さゆえ「良い議論」とまでは評価できません。

防衛予算の倍増という国家的な大方針に対し、その内訳や算定根拠を問うという、議会制民主主義における監視機能が典型的な形で現れた議論です。質問者は防衛白書に記載された巨額予算の具体的な使い道を詳細に質しており、回答者は既存の公表資料や現時点での確定事項をベースに回答しています。ただし、多くの項目で「現時点で確たることを申し上げることは困難」という政府答弁の定型句に収束しており、新たな情報開示や深い政策的対立軸の提示までには至っていないため、形式的な確認の域を出ない「普通」の評価となります。

この議論は、防衛費のGDP比2%目標に関連する予算の詳細な内訳と透明性を求めるという重要な論点を扱っています。質問者は防衛白書の記載を基に、具体的な数字と根拠を求める体系的な質問を行い、回答者も一定の数値データを提供しています。ただし、回答の多くが「現時点で確たることを申し上げることは困難」という留保付きであり、議論が十分に深まっていない点で「良い議論」には至りません。予算の透明性という民主主義の根幹に関わる重要なテーマである一方、具体的な政策決定プロセスの改善や今後の方向性についての建設的な議論には発展していません。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い質問良い質問良い質問

質問者は議会質問として妥当な根拠をもとに、現行予算や計上手法の透明性、細目の積算根拠、項目定義、具体的な数字や根拠・理由の説明など、政府予算の適正化に直結する根本的事項について丁寧に問いかけている内容です。一般国民のみならず、関連する自治体や会計・政策担当者、研究者にも意味のある質問となっています。「積算をせず全体額を決めた場合の理由」など制度の根本に迫る視点も妥当です。礼節や事実認識に問題はありません。

質問は極めて具体的かつ構造的です。防衛白書に示された「11兆円(GDP比2%)」という総額の内訳を、5つの区分に沿って詳細に問い質しています。特に、防衛力整備計画の「枠外」にある公共インフラ整備や研究開発、さらには海上保安庁予算などの「補完的取組」に焦点を当てている点は、予算の透明性を確保する上で重要です。「一兆円の積算根拠」や「特定利用空港・港湾の具体的な場所」など、国民が抱く疑問を代弁する形となっており、行政監視としての質は高いと言えます。この質問は、納税者や予算の透明性を求める市民にとって価値がありますが、機密性や流動性を重視する政府実務担当者にとっては、回答が困難な(避けるべき)問いとして機能しています。

質問者の福島みずほ議員は、以下の点で高く評価できます。

  • 防衛白書の具体的な記載を引用し、そこから派生する疑問点を論理的に整理しています
  • 6つの質問が体系的に構成されており、GDP比2%目標の内訳(8.9兆円の防衛力整備計画対象経費、0.2兆円のSACO・米軍再編関係経費、0.9兆円の関係省庁所管分、1兆円の総合的防衛体制強化)について、階層的に詳細を求めています
  • 「積み上げた事業の内容及び金額を全て示されたい」という具体的な要求と、「仮に、積算をせず全体額のみ先行して決定した場合、その理由を示されたい」という代替質問を併記することで、どちらの場合でも答弁を求める緻密な質問設計になっています
  • 特定利用空港・港湾の具体的な場所や数、関係省庁所管分の「など」が指す内容など、曖昧な表現の明確化を求めており、予算の透明性確保という公共的価値に貢献しています

予算に関する国民の知る権利を代表する質問として、適切な内容と構成になっています。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の答弁普通の答弁微妙な答弁

回答は概ね事実ベースで、不明瞭・未決定な部分は正直に現段階での不明点を述べるスタンスです。しかし、質問の核心(積算根拠の十分な開示、具体的な内訳や根拠説明、参照定義など)に対しては「困難」として踏み込まず、極めて限定的かつ消極的な回答内容が多いです。技術的には問題があるとはいえませんが、議会の情報要請に応える積極性が乏しい点で「普通」の域を出ません。反論・回避的態度もなく、淡々としています。

政府の基本スタンスを崩さず、整合性を保った回答に終始しています。各年度の予算執行額を項目別に回答するなど、事実関係の整理には真摯に対応していますが、将来的な計画や詳細な積算根拠については「困難である」と回答を避けています。これは政府答弁としては一般的ですが、国民に対する説明責任という観点からは、一歩踏み込んだ情報公開が欠けているとも評価できます。また、質問者の「積算をせず全体額のみ先行して決定した場合」という表現に対し、「具体的に意味するところが必ずしも明らかではない」と形式的な拒絶を示す場面があり、これは議論の深化を妨げる官僚的な対応と言えます。この答弁は、現状の政府方針を追認したい層には安心感を与えますが、具体的な情報を求める野党や専門家にとっては価値が乏しいものです。

高市早苗内閣総理大臣による答弁は、以下の問題点があります。


肯定的な点:

  • 質問三について、研究開発、公共インフラ整備、サイバー安全保障、国際協力の4分野それぞれについて、令和5年度から7年度までの予算額を具体的に示しています(研究開発:0円→1,805億円→3,649億円など)
  • 質問六の「など」の内容について、一部具体的な説明を提供しています

問題点:

  • 質問二と五について「現時点で確たることを申し上げることは困難」と回答していますが、これは予算編成プロセスの透明性に欠ける姿勢です。2027年度に1兆円規模の予算を計上する計画があるにもかかわらず、その内訳が示せないというのは、積算根拠が不十分である可能性を示唆しています
  • 質問四の特定利用空港・港湾の具体的な場所と数についても「現時点で確たることを申し上げることは困難」としていますが、既に予算を計上している以上、ある程度の計画は存在するはずであり、情報開示が不十分です
  • 「お尋ねの…の具体的に意味する範囲が必ずしも明らかではないが」という前置きを繰り返し使用していますが、質問の意図は十分明確であり、この表現は回答回避の印象を与えます
  • 令和5年6月の委員会答弁を引用するに留め、それ以降の検討結果や進捗について説明がありません

国会議員からの正当な質問に対し、予算の根拠と計画の詳細を十分に説明する責任を果たしているとは言えず、行政の説明責任の観点から不十分な答弁です。


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