いじめを行った児童生徒に対するスクールカウンセラー等による適切な支援の必要性に関する質問主意書

人権・差別
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 石垣のりこ 回答: 高市早苗 質問日:2025/11/11 回答日:2025/11/21

3行解説

POINT
  • いじめをした子どもへのスクールカウンセラーなどの支援の重要性について、国会で質問と政府の答えが交わされました。
  • 石垣のりこ議員が、いじめをした子にもカウンセリングなどの支援が必要である理由や、実際に支援している自治体の数、政府がこの支援の周知をどうしているかを質問しました。
  • 内閣総理大臣高市早苗は、支援が必要な場合があり今後も周知に努めると答えましたが、自治体数や「十分に伝わっていないか」の明確な回答は難しいと述べました。

3分解説(くわしい説明)

質問の内容と背景

今回の国会質問では、参議院議員の石垣のりこさんが、学校でのいじめの問題について、特に「いじめをした児童生徒」に対する支援のあり方を取り上げました。石垣さんは、いじめを受けた子へのケアが大切なのはもちろんですが、いじめをした側の子どもにもスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによるカウンセリングなどの支援が必要だと考えています。また、いじめ対策の調査報告書で、このような支援を行っている自治体が少ないことも問題にしました。

質問のポイント

  • いじめをした子どもへの支援がなぜ必要なのか、その理由
  • 実際にそうした支援策を報告書に入れている自治体はどれくらいあるのか
  • 政府がこの支援の重要性を地方自治体に十分伝えているかどうか

政府(答弁者:内閣総理大臣高市早苗)の答え

高市早苗内閣総理大臣は、「いじめをした子ども」に対しても、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援が行われることがあると答えました。これは、いじめ防止対策推進法やガイドラインでも求められている内容です。

また、どれくらいの自治体がいじめ対策の報告書でこうした支援を盛り込んでいるか、という数については、「全ての報告書を把握しているわけではないので、正確に答えることは難しい」と述べました。

さらに、支援の重要性を自治体などに十分伝えているかという点については、文部科学省がガイドラインの内容を各都道府県教育委員会などに会議や通知でしっかり周知していると説明しました。今後も支援の大切さが伝わるよう努力していく考えも述べられました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の議論普通の議論まあまあ良い議論

本議論は、いじめを行った児童生徒への支援の必要性や現状を問う重要なテーマであり、質問はガイドライン改訂や現状把握等の具体的な事実に基づいています。しかし、答弁は法令や既存の通知に沿った説明に終始し、統計や事例などの具体的データには十分に踏み込んでいません。議会質問として一定の意義はありますが、政策形成や現場の実効性検証という観点ではやや抽象的な議論となり、「普通の議論」と評価します。

いじめ問題における「加害側(いじめを行った児童生徒)への支援」という、再発防止において極めて重要な論点を扱っている点は評価できます。しかし、質問側が求める具体的な実態把握(数値)に対し、回答側が把握の困難さを理由に回答を避けており、現状の課題を定量的に可視化して改善に繋げるという建設的な議論の深化が限定的であったため、この評価としました。

この議論は、いじめ問題における見落とされがちな論点―加害児童生徒への支援の必要性―を取り上げている点で意義があります。質問者は具体的なデータ(いじめ認知件数76万9,022件)と改訂されたガイドラインを根拠に、現場での実践における課題を指摘しています。しかし、議論の深まりには限界があります。質問は重要な論点を提起していますが、回答は一般論や既存の法的枠組みの説明にとどまり、質問者が指摘した「地方公共団体の報告書で言及が少ない」という具体的課題への実効的な対応策が示されていません。建設的な政策対話としては、もう一歩踏み込んだ議論が期待されるところです。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
まあまあ良い質問まあまあ良い質問まあまあ良い質問

質問者は、現行ガイドラインや公開されているデータに基づいた具体的な指摘をしており、対応状況や周知の課題について掘り下げようとしている点は評価できます。一方で、質問2の『再発防止策・提言に加えている地方公共団体の数』の定義がやや曖昧で、行政が答弁困難と判断する余地が生じている点、質問3の『必要性が十分に伝わっていない』の具体的根拠や実態調査の裏付けがやや弱い点が課題として見られます。それらを踏まえ、「まあまあ良い質問」と評価します。

文部科学省の最新の調査結果や、改訂されたばかりのガイドラインを引用しており、論理的な整合性が高いです。特に、いじめを受けた側だけでなく「行った側」への専門的ケアの欠如が再発防止のボトルネックになっているという指摘は、教育現場の実情に即した鋭い着眼点と言えます。一方で、二の質問において地方公共団体の個別の報告書内容を網羅的に問うなど、政府側の情報把握能力の限界を突く形となっており、実効性のある回答を引き出すための「問いの設計」には改善の余地がありました。

質問者の石垣議員は、以下の点で評価できる質問を行っています。強みとして、いじめ問題において一般的に見過ごされがちな「加害児童生徒への支援」という視点を提起しており、これは予防的・長期的な観点から重要です。具体的な統計データと改訂ガイドラインを根拠として示し、地方公共団体の報告書における記載の少なさという実態的課題を指摘しています。三つの質問は論理的に構成されており、理由の確認、現状把握、今後の対応という流れになっています。一方で改善の余地もあります。質問二では「再発防止策・提言に加えている地方公共団体の数」を求めていますが、この表現が曖昧であり、回答者から「意味するところが必ずしも明らかではない」と指摘される結果となっています。より具体的に「報告書の再発防止策において加害児童生徒へのスクールカウンセラー等による支援を明記している地方公共団体の数」と問うべきでした。また、質問三で「必要性が十分に伝わっていない可能性がある」としていますが、この判断の根拠(例えば、どの程度の報告書を調査したのか)が明示されていません。全体として、重要な政策課題を提起する良質な質問ですが、質問の精緻さにおいて若干の改善余地があります。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の答弁微妙な答弁普通の答弁

回答者は法令やガイドラインの文言、通知による周知状況など制度面について誤りなく説明していますが、質問2に対しては『把握していない』『意味が明らかでない』と答弁を避けており、実態把握や事実ベースでの前向きな情報提供は見られません。質問3についても、今後も周知に努める旨にとどまり、現状の課題や施策評価には踏み込んでいません。不誠実とまでは言いませんが、事実と科学的根拠に基づく実践的・改善的な姿勢は十分ではなく、「普通の答弁」と評価します。

法律(いじめ防止対策推進法)や過去の通知を引用し、制度上の建前としては丁寧に説明していますが、質問者が提起した「現場での浸透不足(実効性)」という核心部分については正面から答えていません。特に二の質問に対し、「意味するところが必ずしも明らかではない」という定型的な表現で回答を回避する姿勢は、行政の透明性や実態把握への意欲という観点から、誠実さに欠ける印象を与えます。現状を「把握していない」という事実のみを伝えるに留まり、今後の改善策の具体性に乏しい内容でした。

高市内閣総理大臣(文部科学省作成)の答弁は、形式的には適切ですが、実質的な政策対話としては物足りなさが残ります。
答弁の長所として、質問一に対しては「いじめ防止対策推進法」第23条第3項を引用し、法的根拠を明確に示しています。スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの役割の違い(心理支援と福祉支援)を区別して説明している点も適切です。質問三への回答では、周知のための具体的な取り組み(各種会議での周知、令和5年の通知発出)を示しています。
しかし、課題も明確です。質問二に対して「意味するところが必ずしも明らかではない」として実質的な回答を避けていますが、質問の趣旨は十分に推測可能であり、概数や参考情報を提供することは可能だったはずです。データの完全な把握が困難であっても、「○○県の調査では」といった部分的情報や「今後調査を検討する」といった前向きな姿勢を示すこともできました。
質問者が指摘した「地方公共団体の報告書で言及が少ない」という現状認識に対して、政府側の分析や見解が示されていません。「周知に努めてまいりたい」という結びは前向きですが、具体的な改善策や数値目標などが欠けており、従来の対応の継続を述べるにとどまっています。
答弁は誠実で礼節を保っていますが、質問者が提起した実質的な課題―現場での実践が不十分である可能性―に対する踏み込んだ認識や対応策が示されておらず、政策的な前進を生み出す答弁とは言いがたい内容です。


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