国立公文書館によるSNS上での寄附の募集に関する質問主意書

公的資金
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 石垣のりこ 回答: 高市早苗 質問日:2025/10/28 回答日:2025/11/07

3行解説

POINT
  • 国立公文書館がSNSで寄付を呼びかけることについての質問と、その背景に関する政府とのやりとりです。
  • 質問者は石垣のりこ議員で、SNSでの寄付募集の理由や予算の十分さについて政府の見解を尋ねました。
  • 答弁者は内閣総理大臣・高市早苗氏で、SNSでの呼びかけは事前に把握しておらず、予算は足りていると考えており、今後も運営費交付金で支援していくと答えています。

3分解説(くわしい説明)

やりとりの背景

2025年10月24日に、国立公文書館が公式SNSで「ご寄附のお願い」という投稿をしました。これは、国立公文書館が持っている大切な歴史の資料をみんなのために保存したり、誰でも利用できるように役立てたりするため、幅広く寄付を集めようとする呼びかけでした。

質問内容

  • 質問者は石垣のりこ議員です。
  • 「国の大切な歴史資料である公文書の管理や保存は国がきちんと費用を出すべきではないか」とまず指摘しています。
  • 国立公文書館がSNSで寄付を呼びかけたことを政府は知っていたのか、また、なぜ寄付を集めているのかという理由、そして予算が足りないせいではないのかと質問しています。
  • 最後に、経費が足りないことで大切な歴史の文書が捨てられることは絶対にあってはいけない、と思うが政府はどう考えるかと尋ねています。

政府の回答(高市早苗・内閣総理大臣)

  • 国立公文書館が今まで寄付を集める活動をしてきたことは知っていましたが、SNSでの呼びかけ一つ一つについては事前に知っていたわけではないと説明しました。
  • 毎年必要なお金(運営費交付金)は国がちゃんと出していて、そのほかにさらに活動を充実させるため、追加で寄付金を集めているとのことです。
  • 予算が足りなくて特別に寄付を集めているわけではないし、予算をもっと増やす必要はないと考えています。
  • 大切な歴史文書は、法律にしたがってちゃんと保存し、みんなが利用できるようにしていると答えています。今後も国からの運営費交付金でしっかり支援していく姿勢です。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い議論普通の議論まあまあ良い議論

本議論は国立公文書館によるSNS上での寄附募集という具体的な事例をもとに、法的根拠や運営資金の仕組みについて事実に基づき丁寧に質疑が行われています。特に、質問では法や公文書館の目的を踏まえたうえでSNSによる寄附募集の妥当性や資金不足の懸念、さらに保存活動に対する国の責任範囲にまで論点を拡げており、国会質問として適切な内容となっています。回答も制度・法律の観点から現状と政府の認識を明示しており、両者とも議会としての責務や説明責任を果たしていると評価します。

国立公文書館という、民主主義の基盤を支える公的機関の運営のあり方(公費負担か寄附活用か)について、SNSでの具体的な事象を起点に論点を提示している点は意義があります 。しかし、質問側は「予算不足による廃棄の懸念」という極端な仮定に基づいており、回答側は「事業の充実のため」という一般論的な説明に終始しています 。両者の主張が平行線をたどっており、運営実態や具体的な予算不足の有無に関する深い掘り下げまでには至っていないため、標準的な議論の範疇に留まっています。

この議論は、国立公文書館という重要な国家機関の運営財源について、具体的な事実(SNS上での寄附募集)を起点として、法的義務と財政的裏付けの関係を問うという構造的な質問になっています。質問者は公文書管理法の目的を引用しながら、特定歴史公文書等の永久保存義務と現実の財政状況の整合性を問題提起しており、論理的な組み立てがあります。
一方で、回答は質問に対して基本的に応答していますが、「事業の一層の充実を図るため」という説明と「予算が不十分との指摘は当たらない」という結論の間に、具体的な数字や詳細な説明が欠けています。議論として深まりには欠けるものの、公的機関の財政運営という重要なテーマについて、一定の論点整理がなされた点は評価できます。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い質問まあまあ良い質問まあまあ良い質問

質問者は具体的な事実(SNSを用いた寄附募集)が法や制度上どのような位置づけとなるのか、国の責任範囲や現状の問題点の有無を明確に問い、単なる批判や揚げ足取りに終始せず、説明や見解を通じて社会的な意義も問うています。これにより、行政の透明性や説明責任の確保、寄附金がもたらす現実的なインパクトについて関心を持つ国民・議員双方にとって有益な質問となっているため、評価は高いです。

国立公文書館によるSNSでの寄附募集という最新の動向を素早く捉え、公文書管理法が定める「永久保存の義務」と「運営費の自己調達」の整合性を問うている点は論理的です 。特に、公的資源の保存が寄附という不安定な財源に左右される懸念を指摘した点は、政策監視として適切です。ただし、四において「経費が賄えないから廃棄される」という、法制度上起こり得ない極端な仮定を持ち出している点は、やや飛躍した論法と言えます 。

質問の構造は論理的で、以下の点が評価できます。

  • 具体的な事実(令和7年10月24日のSNS投稿)を明示している
  • 公文書管理法という法的根拠を引用し、特定歴史公文書等の永久保存義務という法的義務を確認している
  • 4つの質問が段階的に構成されており(事前把握→理由→予算増額の必要性→廃棄の可能性)、論理的な流れがある

ただし、改善の余地もあります。

  • 「国立公文書館の運営に掛かる費用は国が全て負担すべき」という前提が、独立行政法人の制度設計上、必ずしも自明ではない(独立行政法人は一定の自主財源確保が想定されている)
  • 寄附募集が「予算不足の証拠」であるという推論には、他の解釈可能性(事業拡充、特別プロジェクトなど)を排除できていない
  • 現在の予算額や過去の推移などの具体的データへの言及がなく、「不十分」という判断の根拠が主観的

国民の関心事である公的機関の財政透明性を問う姿勢は適切ですが、より多角的な視点があれば質問の質がさらに高まったと考えられます。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の答弁普通の答弁微妙な答弁

回答者は事実や法的枠組みに基づき現状を端的に答えていますが、SNSを用いた寄附募集の背景や是非、寄附が本当に不要かどうかといった社会的関心に対する解像度の高い説明や積極的な方針表明には至っていません。形式的ではありますが、必要最低限の情報提供や法的整理はされているため、一定水準の答弁とは言えます。ただし、やや想定問答止まりで、政策的な抱負や今後の課題提起は見受けられませんでした。

政府の立場として、現行の運営費交付金で必要な額は措置しているという整合性を維持しつつ、寄附はあくまで「上乗せ(事業の一層の充実)」のためであると明確に定義して回答しています 。SNSでの個別の発信については「事前に把握していない」と事実関係を淡々と述べており、失礼な態度は見受けられません 。一方で、質問者が懸念する「なぜ寄附を募らざるを得ないのか」という現状の予算規模の妥当性に対する具体的な説明は乏しく、定型的な回答に留まっています。

この答弁には構造的な問題があります。
問題点として:

  • 一について:「報告を求めておらず、事前に把握していない」という回答は、独立行政法人の自主性を尊重する制度趣旨からは理解できるものの、所管省庁として国立公文書館の重要な広報活動を把握していないことが適切かは疑問が残ります
  • 二及び三について:「事業の一層の充実を図るための財源を確保するため」と説明しながら、「現状の予算が不十分との指摘は当たらない」と結論づけていますが、この二つの主張は矛盾しています。事業充実のために追加財源が必要なら、現状の予算は「必要最低限」であり、より良いサービス提供には「不十分」と解釈できるはずです
  • 答弁全体を通じて、具体的な予算額、寄附金の使途、事業充実の具体例などが示されておらず、説明責任を果たしているとは言い難い
  • 四について:「適切に行っている」「支援してまいりたい」という一般論に終始し、質問の核心である「予算不足により廃棄されることはないか」という懸念に正面から答えていません

評価できる点としては:

  • 質問の各項目に対応した構造的な答弁になっている
  • 法的根拠(独立行政法人通則法、国立公文書館法など)を示している

しかし全体として、国民の懸念に対して十分な説明を提供したとは言えず、形式的な答弁にとどまっています。


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