食料品に係る消費税率をゼロ%とする提案に関する質問主意書

産業政策
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 牧山ひろえ 回答: 高市早苗 質問日:2025/10/27 回答日:2025/11/07

3行解説

POINT
  • 食料品の消費税を0%にする提案について、国会議員牧山ひろえが政府に質問し、政府の考えを聞きました。
  • 質問者は牧山ひろえで、生活が苦しい人を助けるため食料品の消費税ゼロの効果や、現金の給付との違いについて詳しく質問しました。
  • 内閣総理大臣高市早苗が答弁し、消費税ゼロの効果についてははっきりしたことは言えない・他の支援策も行っていると説明しました。

3分解説(くわしい説明)

食料品消費税ゼロ%の提案に関する議論

参議院議員の牧山ひろえさんは、食料品の消費税をゼロパーセントにすれば、物の値段が上がっていることへの対策になると思い、政府に質問しました。特に、お金に困っている人が助かるのではないか、消費全体が元気になるのではないか、現金給付とどちらが良いのか、などを具体的に取り上げました。

質問の主な内容

  • 食料品の消費税をゼロにすると、みんなの手元に残るお金(可処分所得)が増えるのか?消費が増えるのか?
  • 2019年に消費税を上げたとき、GDPや消費が下がったので、下げれば逆に良くなるのか?
  • 物価を抑える効果が大きいというなら、他にもっと良い方法はあるのか?
  • 生産者やお店の人たちにも良い効果があるのか?
  • 食料品の値段を高くしすぎない工夫と、生産者がしっかりもうかる工夫を両立できる策はあるのか?
  • 消費税ゼロと現金給付はどちらが効果的なのか?
  • 食料品消費税ゼロ%は経済戦略としても意味があるのでは?

政府(内閣総理大臣高市早苗)の主な回答

政府の内閣総理大臣高市早苗さんは、食料品の消費税をゼロにしても、手取り収入(可処分所得)は法律上増えるとは言えない、と説明しました。また、消費税を下げれば景気が必ず良くなるともはっきり言えませんでした。物価を下げる力や食品のお店・生産者へのいい影響については、コストやお店の対応次第なので、確かなことは分からないと述べました。

生産者や消費者の両方が納得できるように、今は食品流通の仕組みをよくしてコストをおさえたり、公平な値段になるような決まりを作ったりしています。さらに、食料品の価格が上がって困っている人には、給付金や他の支援も行っていますと答えました。

消費税を下げるのは、広い人たちの負担を減らすことにはなりますが、一番困っている人への助けとしては効率が悪い面もある、また実行にはレジの準備など手間や時間もかかると説明しました。現金給付の場合も、目的ごとに制度を考え直さないといけないので、どちらが良いと一言では言い切れません、というのが政府の考えです。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiClaude
普通の議論普通の議論微妙な議論

質問者は食料品消費税ゼロ%という具体的かつ時宜を得た政策提案について、可処分所得や経済成長戦略、生産者・消費者への効果、給付金との比較など多面的かつ丁寧に質問を行っているため、国会質問としての形式的適切性は高いです。しかし、回答側はほぼ全ての設問に対して『確たることをお答えすることは困難である』という形式的回答を繰り返し、具体的根拠または明確なデータ・分析結果に基づいた積極的な答弁を示していません。そのため、議論としての相互作用も十分とは言えず、政策論争の発展性や国民への説明責任という観点からは限界のある議論となっています。

本議論は、物価高騰に直面する家計への支援策として「食料品の消費税率ゼロ%化」という具体的な政策提案を軸に行われています 。質問者は、消費税の逆進性解消や消費喚起といったマクロ経済的な視点からその正当性を主張しています 。一方、回答者である政府側は、用語の定義(可処分所得の概念など)や過去の統計的解釈の困難さを理由に、提案の前提条件を慎重に否定または保留する姿勢に終始しています 。双方の主張の立脚点が異なるため、政策の実現可能性や具体的なシミュレーションに踏み込んだ深掘りが行われておらず、典型的な「提案と現状維持の確認」という構図に留まっているため、この評価としました。

この議論は、重要な政策課題を扱っているものの、議会質問として期待される生産的な議論にはなっていません。質問側は食料品消費税ゼロ%という具体的政策を提示し、その効果を問うていますが、質問の構造が「提案の正当性を前提とした確認」に偏っており、政策の実現可能性や具体的な制度設計についての掘り下げが不足しています。特に、財源問題や税収減少への対応、軽減税率制度との関係、事業者の実務負担など、政策実現に不可欠な論点が質問に含まれていません。回答側は、ほぼ全ての質問に対して「確たることをお答えすることは困難」という定型的な回答を繰り返し、実質的な政策議論を回避しています。可処分所得の定義に関する技術的な指摘は正確ですが、質問の本質(実質的な家計負担の軽減効果)には答えていません。政府の既存政策の説明も含まれていますが、質問者の提案との比較検討はなされていません。結果として、この質問主意書は国民や他の議員が政策判断に必要な情報を得る機会とはなっておらず、議会質問の本来の機能を果たしていません。

質問者の評価

ChatGPTGeminiClaude
良い質問まあまあ良い質問まあまあ良い質問

質問者は消費税率引き下げ政策について、理論的背景、過去のデータ、波及効果の仮説、他政策との比較、困難な社会状況における解決策提示など、立法府における質問として模範的な組み立て方で臨んでいます。各設問は論点ごとに分かれており、想定される反論も理解した上で、それを踏まえて政府の見解や根拠を引き出そうとしています。事実関係や論点設定も明快で、国民生活・政策担当者・事業関係者いずれにとっても価値の高い質問です。

質問者は、生活者に直結する食料品価格という論点を選び、「可処分所得の増加」「生産者への波及効果」「給付金との比較」といった多角的な切り口で、政府の認識を問うています 。特に、給付金に伴う行政コストやスピード感、公平性の観点から減税の優位性を説く箇所は、論理的な対比がなされており、議論の整理に寄与しています 。ただし、「可処分所得」という用語を、税引き後の手取り額という厳密な経済学的定義ではなく、生活に余裕が生まれるという広義の意味で使用している点があり、そこを回答者に突かれる隙を与えてしまった点は、精密な議会質問としては惜しまれる点です 。この質問は、現行制度に不満を持つ消費者や低所得層にとっては、代弁者としての価値が高い内容となっています。

質問は構造化されており、以下の点で一定の評価ができます。
肯定的な側面として、消費税政策という国民生活に直結する重要テーマを取り上げ、低所得層への影響、経済効果、生産者への影響、代替政策との比較という多角的な視点から質問を組み立てています。特に「生産者の適正利益確保」と「消費者の価格負担軽減」という両立困難な課題を明示的に取り上げた点は、問題の本質を捉えています。論理の流れも明確で、読み手が論点を理解しやすい構成になっています。
しかし、議会質問として重要な要素が欠けています。最大の問題は、財源に関する具体的な質問がないことです。「税収減少の懸念はあり得るが」と触れながら、その規模の試算や補填方法について問うていません。また、既存の軽減税率制度(8%)との関係や、事業者の実務負担(インボイス制度との整合性、システム改修コストなど)についても質問していません。さらに、「食料品」の定義や範囲についても明確にしておらず、実務的な制度設計の視点が不足しています。
質問の多くが「政府はどう評価するか」という抽象的な問いかけになっており、具体的なデータや試算を求める質問が少ないことも、実効性のある議論を妨げています。

回答者の評価

ChatGPTGeminiClaude
微妙な答弁微妙な答弁微妙な答弁

政府の答弁は事実関係や概念の一般的説明にとどまり、『個々の影響を分離するのは困難』『施策の具体的中身が明らかでない』として、多くの質問に十分な根拠や分析結果を伴わないまま『答えられない』との回答に終始しています。法的根拠や現行制度に関する記述はありますが、質問の意図に即したエビデンスや見解提示には消極的で、行政責任者としての説明責任に十分応えているとは言えません。政策関係者・有権者・利害関係者いずれにとっても議論の深化・理解促進という意味で価値は限定的です。

政府側の回答は、法的な定義や過去の答弁の踏襲に重きを置いており、提案に対する前向きな検討や代替案の提示が乏しいと言わざるを得ません 。特に「食料品消費税率の引下げが可処分所得の増減に影響を及ぼすわけではない」という回答は、可処分所得の定義(実収入-直接税・社会保険料等)を盾にした形式的な反論であり、実質的な購買力の向上という質問者の意図を正面から受け止めていません 。また、多くの項目で「確たることをお答えすることは困難である」という定型句が多用されており、行政としての分析姿勢に欠ける印象を与えます 。一方で、生産者と消費者の両立策として「コスト指標の公表」などの具体的施策に言及している点は評価できますが 、全体としては現状の枠組みを維持しようとする既存路線の再確認に留まり、変化を望む国民にとっては価値を感じにくい答弁となっています。

この答弁は、議会答弁として期待される説明責任を十分に果たしていません。
形式面では、各質問に対応した構成になっており、法令や大臣発言の引用も含まれています。可処分所得の定義に関する指摘は技術的には正確で、経済学的な厳密性を示しています。また、既存の政策(食品流通法改正、臨時交付金など)についても言及しています。
しかし、内容面では重大な問題があります。4つの主要な質問のうち3つに対して「確たることをお答えすることは困難」という実質的な回答拒否を行っています。これは、政府が経済政策の効果について一切の見解を示さないという姿勢であり、議会の行政監視機能を無効化するものです。
特に問題なのは、可処分所得に関する答弁です。質問者が意図しているのは明らかに「実質的な家計負担の軽減効果」ですが、「可処分所得は手取り収入を指すため、消費税は影響しない」という形式論理で回答を回避しています。これは質問の本質を理解した上で、技術的な定義の相違を利用して実質的な議論を避ける答弁技術と言えます。
消費税率引上げ時のGDP影響について「台風や暖冬の影響」を理由に消費税の影響を切り分けられないとする一方で、減税の効果も論じられないとする論理も、政策評価を放棄しているに等しいものです。政府が経済政策の効果測定能力を持たないと自認することになります。
代替案との比較を求める質問に対しても、給付金の問題点を指摘するのみで、両者の効果を比較する具体的な分析は示されていません。
この答弁は、形式的には礼節を保っていますが、実質的には質問者の提案に対する真摯な検討や、国民への説明責任を果たしているとは言えません。


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