奨学金受給者の生活実態調査及び奨学金返還負担と少子化との関係に関する質問主意書

子ども・教育
国会情報(質問主意書)
【参議院】 219回 質問: 山本太郎 回答: 木原稔 質問日:2025/10/21 回答日:2025/10/31

3行解説

POINT
  • 質問者:山本太郎議員
    奨学金のせいで学生生活が苦しいこと、そして返済が少子化と関係しているのか政府に聞きました。
  • 質問内容サマリー
    ①物価高で学生が困っている調査を政府もすべきか
    ②奨学金の全部免除はできるか
    ③返済が少子化につながるか
    ④返済免除は少子化対策として役立つか
  • 答弁者:国務大臣 木原稔
    生活状況は今の調査でも分かる、全額免除は考えていない、少子化の理由は複雑なので一概には言えないと答えました。

3分解説(くわしい説明)

この質問は、大学生が奨学金(お金を借りて大学に通う制度)を利用していることで生活が苦しくなったり、将来の返済への不安があるという問題についてのやりとりです。

質問したのは山本太郎参議院議員です。

山本議員は、民間団体が行った調査で、

  • 学生の多くが物価高で生活が苦しい
  • 食費が上がり、満足な食事が取れていない人も多い
  • 奨学金を返す不安を持つ人が多い
  • お金の悩みが勉強の悩みより多い

といった結果が出ていることを紹介しました。

そして、こうした状況を国としてちゃんと調べるべきではないか、政府に質問しました。

さらに、

  • 奨学金返済が苦しい人への「全額免除」を検討するべきでは?
  • 奨学金の返済が理由で、子どもを持ちにくくなっている(少子化につながる)という調査結果があるが、政府はどう考える?
  • 返済を全額免除することは少子化対策として効果があるのでは?

という点についても尋ねました。

これに対して、政府の答弁者は国務大臣の木原稔さんです。

政府の答えはまとめると次の通りです。

  • 別に新しい調査をする必要はない
     →すでに日本学生支援機構の調査で生活費の状況が分かるため
  • 全額免除は考えていない
     →返済されたお金を次の奨学金に使う必要がある
  • 少子化は理由がたくさんあり、奨学金だけとは言えない
     →なのでハッキリとは答えられない
  • 効果がないとは言わないが、全額免除は検討しない
     →返済が大変な人には猶予や減額の制度で対応する

まとめ

このやりとりは、
「奨学金を借りて大学に行く学生の生活の不安」と「少子化問題(子どもの数が減ること)」の関係について、政府がどう考えているのかを質問したものです。

政府は、奨学金制度を維持するためには返済が必要だと考えており、全額免除には慎重な姿勢を示しました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiGrok
普通の議論普通の議論まあまあ良い議論

この議論は、奨学金受給者の生活実態や返済負担と少子化の関係という重要なテーマを扱っており、社会的関心も高い領域です。質問者は複数の民間調査や政府調査を引用し、一定の根拠をもとに問題提起を行っているため、テーマ設定としては適切です。ただし、質問が広範で、事実の提示から政策提案(返還免除)まで内容が多岐にわたっており、個々の問いが深く掘り下げきれていない部分があります。一方、政府答弁は整合性が取れており形式的には問題ありませんが、質問の核心に対してやや表面的で、踏み込んだ分析を避ける傾向が強いため、議論としての深まりは限定的です。そのため、総合的に「普通の議論」と評価できます。

議論自体の評価理由: この質問主意書と答弁書によるやりとりは、奨学金受給者の生活問題と少子化対策という重要な社会課題を扱っており、論点は明確でした 。しかし、質問者から提示された具体的な問題提起(民間調査の結果や、既存調査の目的の限界)に対して、回答者(政府)の答弁は「現在の調査で対応可能」「財源の理由で検討しない」という政策決定の現状維持を説明するにとどまり、踏み込んだ政策検討の可能性や、質問の背景にある切実な問題への共感を示す姿勢に欠けていたため、議論の深まりは限定的でした 。国会における政策議論としては、一般的な水準であると評価します。

この議論は、奨学金受給者の生活実態と返済負担が少子化に与える影響を、民間調査のデータを基に具体的に取り上げ、政府の見解を引き出しています。質問が事実に基づき政策改善を促す点で価値がありますが、回答が既存制度の説明に留まり、新たな対策の検討を避けているため、議論全体として深い進展が見られず、標準以上の水準にとどまっています。

質問者の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い質問良い質問良い質問

質問者は複数の調査結果を提示し、学生生活の困窮や返済負担に関する問題を明確に示しています。また、奨学金返済が少子化に影響を与えている可能性について、新たな視点の提起も行っており、公共政策として価値のある問題提起です。しかし、質問の範囲が広く、各問いが一つの答弁で十分に扱えるかという観点ではやや過密で、相互に関連しつつも論点が拡散している印象があります。また、「全額返還免除」を前提とした問いかけは、予算制度や財源構造を前提にすると現実的なハードルが高く、質問としては政策設計の前提を十分に踏まえていない側面もあります。それでも、問題意識の提示自体には価値があります。

質問者の評価理由:
質問者の山本太郎議員は、民間調査の具体的なデータを引用し、物価高による学生の生活苦という喫緊の社会問題を国政の場で取り上げました。

論点の適切性・必要性:
奨学金受給者の生活実態の調査不足(質問一)と、高額な教育費負担が少子化の一因であるという相関関係を示す調査結果(質問三)に基づき、政策の必要性を問うた点は、国民にとって価値があります。

既存施策への批判的検討:
日本学生支援機構(JASSO)の既存調査が「生活支援の充実」や「奨学金回収方策の検討」を目的にしていることを挙げ、「物価高の影響及び求められる対策を明らかにするものではない」と、既存調査の限界を指摘した点は、議論の前提として論理的かつ適切でした。

政策提案の明確さ:
「全額返還免除」という具体的な対策(質問二、四)について、少子化対策としての効果を含めて政府の見解を求めたことで、政府の明確な立場を引き出すことに成功しています。

この質問は、奨学金受給者やその保護者、少子化対策に関心のある国民にとって、政策の現状と課題を知る上で大きな価値がありました。一方、奨学金制度の維持や財政規律を重視する立場の人々にとっては、全額免除の検討を求める内容は、財源論の観点から賛同しにくいものであったかもしれません。

質問者の山本太郎参議院議員は、民間団体のアンケートや全国大学生活協同組合連合会の調査結果を引用し、物価高の影響や返済不安のデータを具体的に挙げ、政府の調査の限界を指摘しています。また、返済免除の検討や少子化との相関を問うことで、政策的な価値を高めており、奨学金利用者や少子化対策に関心を持つ人々にとって価値があります。一方、直接関係のない一般国民にとっては価値が低い可能性があります。

回答者の評価

ChatGPTGeminiGrok
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回答者である国務大臣 木原稔氏は、制度の目的・財源構造・既存調査の役割に基づき、形式的には適切な答弁を行っています。特に、返済金が奨学金制度を支える財源となっているという事実を明確に述べている点は、政策運営の観点から妥当です。ただし、質問者が提示した「民間調査による深刻な実態」について、政府としての独自分析や今後の方針に踏み込んだ説明があまりなく、全体として説明責任の発揮に物足りなさがあります。また、少子化との因果関係について「複雑である」とだけ述べるのは事実として正しいものの、提出された調査結果に対して補足的な知見や論点整理がほとんど無く、政策判断の根拠が読み手に伝わりにくい側面があります。揚げ足取りや稚拙さ、礼節を欠く態度などは見られませんが、深掘りを避けた「必要最小限の答弁」という姿勢は否めません。

回答者の評価理由:
答弁は、内閣総理大臣臨時代理の木原稔国務大臣によってなされました。政府の政策判断や現状を簡潔に示しており、礼節を欠く態度は見られませんでした。

質問への直接的な回答:
全ての質問に対して、回答(「検討しない」「別途の調査は必要ない」「一概にお答えすることは困難」)を示しており、論点を逸らすことはありませんでした。

現状の正当化:
「別途の調査は不要」(質問一)の理由として、既存の「学生生活調査」で生活費の把握が可能である点を挙げ、「全額免除は検討しない」(質問二、四)の理由として、「返還金を再度奨学金事業の原資とする必要がある」という制度の根本的な財源論を明確に示しました 。これは、現在の政策を支持する国民にとっては安心感を与える価値があります。

議論の深化の回避:
質問一の「求められる対策を調査すべき」という質問の核心部分に対し、具体的な政策検討の可能性に踏み込まず、既存調査で「更なる検討を進めていくことが可能である」と述べるに留まり、議論を深める機会を逃しました。

少子化との関係に関する一般論:
質問三では、少子化の要因について「こども未来戦略」の記述を引用し、複雑な要因が絡み合っているという一般論で回答しており、質問者が提示した「奨学金利用と予定子どもの人数の相関」という具体的な調査結果に対する政府としての見解は示されていません。

この答弁は、奨学金事業の財政基盤の維持を優先する政府関係者や、現状維持を望む人々にとっては価値がありましたが、生活に苦しむ奨学金受給者や、奨学金問題を少子化対策として重視する人々にとっては、期待した前向きな政策検討が見られなかったため、価値は低いものでした。

答弁者の内閣総理大臣臨時代理の国務大臣木原稔は、日本学生支援機構の既存調査で物価高の影響を把握可能とし、返済免除を検討しない理由を原資循環の必要性で説明しています。また、少子化の要因を複雑と述べ一概に答えられないとする点は論理的ですが、新規な提案がなく、返済支援制度の紹介に留まるため、政府関係者や制度運用者にとって現状確認の価値があります。一方、制度改善を求める奨学金利用者にとっては価値が低い可能性があります。


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