第219回国会 衆議院 憲法審査会 第2号 令和7年11月20日(3/5)

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国会情報(会議録)
【衆議院】 219回 質問: 浅野哲 回答: 神崎一郎高森雅樹 開催:2025/11/20

3行解説

POINT
  • ネットやテレビの情報の正しさを守るために、どうルールを作るかを話した議論です。
  • 質問者:浅野哲議員。
    ネット広告の表示ルールの難しさについて、現地ではどんな問題が出ているかを法制局に聞きました。
  • 答弁者:衆議院法制局参事・神崎一郎。
    「誰が広告を出したか表示させる制度」の対象が難しく、個人と団体を見分けにくいなど課題があると説明しました。

3分解説(くわしい説明)

まず、和田有一朗議員が意見を述べました。
和田議員は、ネットの噂(偽情報)に対して、新聞やテレビのような丁寧に取材するメディアがとても大切だと言いました。
しかし、紙の新聞は読まれる人が減っていて、経営が苦しくなっているので、守る仕組みが必要だと話しました。

続いて、浅野哲議員が質問しました。
今回の海外調査で、どの国も

  • 表現の自由を守りつつ、偽情報をどう止めるか
    に苦労しているとわかった、と話しました。

そのうえで浅野議員は、
・インフルエンサーが世論に大きな影響を与えること
・被害が見えにくい偽情報をどう扱うか
という新たな課題にも気づいたと言いました。

そして浅野議員は、法制局に質問しました。

イギリスではネット広告に「誰が出したか」を表示させるルールがあるが、
どこに問題があると言われていたのか?

これに対して、法制局の高森雅樹課長が制度を説明しました。

  • お金を払って出す広告は必ず表示義務あり
  • 無料広告は、かかった費用が1万ポンド以上なら義務、以下なら不要
  • 今後、団体なら1万ポンド以下でも義務にする検討がある

そのあと神崎一郎参事が答えました。

ポイントは以下です。

  1. 団体か個人かを見分けるのが難しい
     →本当は団体なのに、個人のふりができてしまうかもしれない
  2. イギリスはもともと規制が強い国だからできる制度
     →日本で同じようにできるかは慎重に考える必要がある

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い議論良い議論普通の議論

・テーマ自体(偽情報対策、メディアの役割、広告規制)は社会的意義が高く、議題として優れています。
・一方で、和田有一朗議員の発言は大部分が意見表明で、具体的な質疑に発展しておらず、議論の深化という点では弱いです。
・浅野哲議員は具体的な制度論に踏み込みましたが、それに対して回答が「制度説明 + 事務方の感想」の範囲に留まり、政策的結論までは至っていません。
→総じて前向きではあるが、質問—回答の構造が十分に発揮されたとは言いづらく、「まあまあ良い議論」と判断します。

本議論は、衆議院憲法審査会の海外調査で得られた具体的な制度(イギリスのデジタル政治広告のインプリント表示義務)を対象とし、その制度が抱える実務的な難しさ(「表現の自由」とのバランス、運用の抜け穴)について、立法に携わる法制局の見解を引き出している点で、非常に高い生産性がありました 。政治的な主張(和田委員の発言)も含みつつ、制度設計という技術的かつ具体的な論点について、専門家からの明確な事実と分析が提供されており、日本の国民投票法改正に向けた議論の土台を深める役割を果たしています。

議論全体としては、偽情報対策という本題に関連する意見は出ているものの、和田議員の発言は「新聞を守ろう」という個人的な思い入れが中心で、具体的な政策提案や海外調査とのリンクが弱く、審査会の時間を大きく使っています。浅野議員の質問は的確ですが、全体の半分以上が和田議員の新聞回顧録のような内容だったため、議会としての生産性は中程度にとどまります。

質問者の評価

ChatGPTGeminiGrok
普通の質問良い質問普通の質問

・質問者である浅野哲議員は、海外制度の具体的課題を明確に尋ねており、質問の質は一定レベルにあります。
・しかし、質問内容が「具体的課題の紹介」に終始しており、政策的な方向性や判断基準を引き出す設計としては限定的です。
・また、和田議員は本質的に質問を行っておらず、「議論としての価値」を高める作用には乏しかった点も影響しています。

浅野哲委員は、海外事例報告という場で、インプリント表示義務の適用範囲拡大という具体的論点を捉え、表現の自由とのバランスをめぐる具体的な論点・問題点を法制局に問うており、質問の質が極めて高いと評価できます 。これは、単に海外事例を聞き流すのではなく、日本の憲法改正国民投票制度にどう応用するかという実務的・技術的な課題を先取りして検討させるものであり、委員としての役割を適切に果たしています。

和田有一朗議員の発言は「質問」ではなく「意見表明」ですが、新聞の役割を強調する点は海外報告にあった「オールドメディアの重要性」に沿っています。しかし、個人的な思い出話や「昭和の話」と自認するような内容が長く続き、具体的な政策提案がほぼないため、議会質問・発言としての質は中程度です。メディア関係者や新聞業界には価値がありますが、憲法審査会で偽情報対策を議論する場としては、焦点がぼやけています。
浅野哲議員の質問は、インプリント表示義務の適用範囲という具体的な論点を挙げており、審査会として価値が高いです。

回答者の評価

ChatGPTGeminiGrok
普通の答弁良い答弁まあまあ良い答弁

・法制局側は制度の現状や課題を丁寧に説明しており、事実説明としての正確性は高いです。
・ただし、「法制局としてどう考えるのか」「制度設計にどんな帰結があるか」といったより踏み込んだ政策的示唆は限定的でした。
・補足説明+感想に近い内容となっており、議論の発展を導いたとは言えない点で中立評価となります。

回答者である衆議院憲法審査会事務局の高森雅樹参事と衆議院法制局の神崎一郎法制局参事らは、浅野委員の質問に対し、専門家としての知見と客観的な事実に基づいて的確に回答しています。

  • 高森参事は、イギリスの政治広告規制における「有料・無料」「支出額(1万ポンド)」「団体・個人」といった具体的な制度設計の区切り方について、正確な事実情報を提供しました。
  • 神崎法制局参事は、その制度設計が「純粋な個人の表現の自由とのバランス」を図りつつも、「団体から資金提供を受けた抜け穴的な個人」を実務的に見分けられるのかという運用上の重大な疑問を指摘しました。
  • また、この切り分けは「厳密な登録運動者制度」を持つイギリスだからこそ可能なアプローチであるという制度間の比較分析を提示しており、日本の法制度を考える上で非常に重要な専門的示唆を提供しています。

これらの答弁は、質問の意図を完全に満たし、日本の立法者にとって価値のある情報であったため、「良い答弁」と評価できます。

高森雅樹参事と神崎一郎参事の答弁は、イギリスの現行ルールと検討中の改正案を正確に伝え、実務上の課題(個人と団体の見分けの難しさ、登録制度の前提など)まで踏み込んで説明しています。海外調査に同行した者としての知見を適切に提供しており、答弁としての質は高いです。法制局としての公式見解ではなく「感想めいて」と前置きしている点も誠実です。
憲法改正や国民投票制度に関心がある議員・職員・一般市民にとって価値がありますが、メディア保護を期待していた人には直接の答えになっていません。全体として、議会答弁として適切なレベルです。


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