第219回国会 衆議院 安全保障委員会 第2号 令和7年11月18日(5/8)

外交・安全保障
国会情報(会議録)
【衆議院】 219回 質問: 阿部司 回答: 小泉進次郎小杉裕一畑田浩之 開催:2025/11/18

3行解説

POINT
  • 内容: 日本の防衛で使うドローンを国産化し、安全に使えるようにするための質問と政府の答えのやりとりです。
  • 質問者: 阿部司議員。国産ドローンの今の割合、国産化の取り組み、スタートアップ支援、民間活用を含めた産業育成について質問しました。
  • 答弁者: 防衛装備庁装備政策部長・小杉裕一、経済産業省大臣官房審議官・畑田浩之、防衛大臣・小泉進次郎が答え、国産比率は3割で、国内生産や企業支援を強化し、関係省庁と協力して国産ドローン産業を育てる方針を説明しました。

3分解説(くわしい説明)

● 1. 国産ドローンはどれくらいあるのか

阿部司議員は、
「日本の安全を守るために国産ドローンをもっと増やす必要がある」として質問を始めました。

世界では中国企業が民間ドローンの約7割を作っており、
外国製に頼りすぎると、戦争や緊急時に使えなくなる危険や、サイバー攻撃の心配があるためです。

そこでまず、

  • 自衛隊(陸・海・空)が持つドローンのうち
    国産ドローンの割合はどれくらいか

と質問しました。

防衛装備庁 装備政策部長 小杉裕一氏の答え:

  • 国産は 約3割
  • つまり 約7割が外国製

と説明しました。


● 2. 国産化を進めるために何をしているのか

阿部議員は、
「3割ではまだ少ない。国産化を進める理由は、安全保障のためでもある」と述べました。

その上で、

  • 国産比率を上げるために防衛省は何をしているのか

と質問しました。

小杉裕一部長の答え:

  • 無人機を2027年度までに多く使えるようにする計画がある
  • 国産の生産・技術の基盤を作るために、
    国内外80社に情報提供依頼(RFI)を出し、企業への聞き取りを進めている
  • 得た情報を使い、関係省庁と連携して国内生産の仕組みを検討している

と説明しました。


● 3. 民間利用を増やすことで産業を育てるべきでは?

阿部議員はさらに、

  • 海外では、防衛だけでなく 警察・消防・農業・インフラ点検 などでドローン市場が大きく育っている
  • 防衛省の調達(買うこと)だけでは産業は育たない
  • 日本も民間での利用を大きく広げるべき

と提案しました。

小泉進次郎防衛大臣の答え:

  • 民間市場の拡大が重要という点で、阿部議員と認識は同じ
  • 経産省(赤澤大臣)とも連携し、防衛産業を強化する方針
  • 防衛装備庁のイベントでも省庁が連携してメッセージを出した
  • 世界ではドローンが急速に重要になっているため、
    国産ドローン強化は重要課題として取り組む

と説明しました。


● 4. スタートアップ企業への支援はどうなっているか

阿部議員は、
「日本のドローン関連スタートアップは育ちにくい環境にある」と指摘しました。

理由としては、

  • 資金集めが難しい
  • 実験場所が少ない
  • 初期の需要が不足している
    などを挙げました。

そして、経済産業省に支援の状況を確認しました。

経済産業省 大臣官房審議官 畑田浩之氏の答え:

  • ドローンは防衛以外でも災害対応・物流などに必要になる
  • 航空スタートアップの支援制度で開発を支援している
  • 経済安全保障の技術育成プログラムで、自律制御ドローンなどを開発支援している
  • さらに、生産基盤の強化やサプライチェーンの安全確保も検討中
  • 引き続き防衛省などと協力して産業育成に取り組む

と説明しました。


● 5. 最後のまとめ(大臣の答え)

最後に阿部議員は、

  • 国産ドローン育成は産業政策ではなく安全保障そのもの
  • 防衛省・経産省・規制改革部署が一体となって国家戦略として取り組むべき

と強く求めました。

小泉進次郎防衛大臣の答え:

  • 経産省と防衛省はすでに強い連携を始めている
  • 民間企業・大学なども巻き込みながら、
    日本のドローン能力(無人アセット防衛能力)を強化する意思がある
  • 阿部議員と同じ思いである

と述べました。


● まとめ

この議論は、

  • 日本のドローンは外国製が多すぎるので、国産をもっと増やしたい
  • そのために防衛省と経産省が協力して産業を育てる必要がある
  • スタートアップ企業にももっとチャンスを作るべき

という話でした。

政府は、

  • 国産化のために企業から情報を集める
  • スタートアップを支援する
  • 省庁どうしで協力して国産ドローンを育てる

という姿勢を示しました。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiGrok
良い議論良い議論良い議論

この議論は、日本の安全保障に直結する「国産ドローンの育成」という重要テーマを、産業政策・防衛政策・技術基盤という複数の観点から整理して進められており、論点の構造が明確でした。
質問者は事実(国産比率3割)を起点に問題点を提示し、民生利用・スタートアップ育成・省庁連携といった具体的な改善方向を段階的に示していました。
一方、回答側も、防衛省・経産省それぞれの立場から現状の取組を過不足なく説明し、連携の必要性を明確に認めており、議論がかみ合っていました。
感情的な応酬や揚げ足取りは一切なく、国会質問としての建設的な質が確保されていた点から、「良い議論」と評価できます。

本議論は、ドローンという喫緊の安全保障上の課題と、産業育成という経済政策を適切に結びつけた、極めて建設的かつ生産的な内容でした。質問者は、自衛隊の国産ドローン比率が約3割という具体的な事実から議論を始め、外国依存のリスクを明確に指摘しました。これに対し、回答側である防衛大臣、防衛省、経済産業省の三者は、民間市場の拡大が防衛産業基盤の強化に不可欠であるという質問者の中心的な提案に対して「頭は全く同じで、合っている」と、省庁間の高い認識共有と協調体制を公の場で示しました。単なる現状報告ではなく、具体的な取り組み(RFI、経済産業省の支援プログラム)と、今後の「国家戦略」としての推進の決意が示されたため、国民の安全と経済に直結する、価値の高い議論であったと評価します。

テーマが明確で、現在の自衛隊ドローンの国産比率(3割)という具体的な数字から始まり、国産化の必要性→産業基盤強化→民間市場拡大→省庁横断連携という論理の流れがしっかりしています。質問側が現実的な課題を的確に突き、政府側も「すでにやっていること」と「今後やるべきこと」を具体的に示したため、議論が建設的に進み、最後に大臣が「考えは同じです」と明言したことで合意形成がなされました。国会質問として理想的な形の一つです。

質問者の評価

ChatGPTGeminiGrok
良い質問良い質問良い質問

質問者の阿部司議員は、次の点で質問の質が高いと言えます。

・防衛装備としてのドローンが外国依存であるという「客観的事実(国産3割)」を基点にしていた
・防衛省の調達だけでは産業として自立できないという産業構造上の課題を提示
・民生利用の拡大、スタートアップ支援、実証環境、規制改革といった具体的な方向性を示していた
・省庁横断が必要であるという政策提案型の姿勢が明確

特定の企業や団体に偏った内容はなく、安全保障・経済安全保障の両面から課題を整理しており、国会質問として非常に適切でした。
揚げ足取りや無礼、稚拙さは見られず、終始事実をもとに建設的な議論を行っていました。

質問者は、以下の点で議会質問としての適切性が非常に高いと評価できます。

  1. 問題提起の適切性: ウクライナの戦況や中国企業の市場支配率(約7割)という最新の国際情勢と具体的なデータに基づいて、日本のドローン国産化が喫緊の安全保障課題であることを明確にしました。
  2. 戦略的な提案: ドローンの国産化は「防衛省の調達だけでは不十分」と指摘し、警察、消防、インフラ点検などの民生部門での活用を拡大することが、最終的に防衛装備品の質向上とコスト低減につながるという産業政策の好循環モデルを具体的に提案しました。
  3. 多角的な視点: スタートアップ企業への支援において、資金援助だけでなく、実証実験の場の提供や規制改革が必要であると、課題の核心を突く指摘を行っています。

論点が明確で、解決策まで踏み込み、関係省庁(防衛省・経済産業省・規制改革部署)の連携を求めることで、議論を深めることに成功しています。

  • 誰にとって価値があったか: 国の安全保障の強化を求める国民、国産ドローンメーカー、技術開発を行うスタートアップ企業、そしてドローンの活用拡大を目指す自衛隊。
  • 誰にとって価値がなかったか: 特に価値がなかった人はいません。

事実(国産3割・外国製7割)を最初に確認し、そこから「防衛だけでは産業が育たない」「民間市場拡大が必要」「スタートアップ支援が鍵」「省庁横断で国家戦略に」という論点を段階的かつ論理的に展開しました。アメリカの事例も適切に使い、質問の最後には明確な決意を大臣に求める形にまとめており、議会質問として非常に質が高いです。誘導的でも揚げ足取りでもなく、政府を前向きに動かす形の質問でした。

回答者の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い答弁良い答弁まあまあ良い答弁

回答者(小杉裕一・畑田浩之・小泉進次郎各氏)は、質問に対して以下のように適切に応じていました。

良い点:
・国産比率3割という数字を明確に提示し、事実説明が正確だった
・国内生産基盤の検討状況(RFIの実施・80社へのヒアリング)を具体的に説明
・経産省はスタートアップ支援制度や重要技術育成プログラムなど具体の支援策を提示
・防衛大臣は省庁の連携強化の姿勢を明確に示し、大局的な方向性を語った

一方で「まあまあ良い」とした理由は以下です。

・答弁に深掘りが少なく、「今後検討」「取り組んでいく」という一般的表現が多かった
・国産化のロードマップや、民間利用との連携強化の具体策には踏み込んでいなかった
・スタートアップ支援の課題(資金・規制・実証環境)への直接的回答はやや抽象的だった

総合すると、誠実かつ適切だが、政策の将来像・数値目標・制度改革の具体性はもう一歩というレベルでした。

回答者全員が、質問の論点を正確に理解し、政府全体としての前向きな姿勢を示すことに成功しました。

  1. 小泉防衛大臣:質問者の「民間市場の拡大が重要」という提案に対して全面的な同意を示し、防衛産業を「危機管理投資」の一分野として位置づけ、経済産業省との具体的な協力(経産大臣のビデオメッセージ等)が行われている事実を明らかにしました。最後に、省庁横断的な推進を「国家戦略」として取り組む決意を明確に表明し、強いリーダーシップと責任感を示しました。
  2. 小杉防衛装備庁装備政策部長: 現状の国産比率(約3割)という基本的事実を提示しつつ、生産基盤構築のための具体的な情報収集活動(約80社へのRFI)について説明責任を果たしました。
  3. 畑田経済産業省大臣官房審議官: 防衛以外の多分野でのドローンの重要性を認識し、スタートアップ支援のために既存の具体的な政策(中小企業イノベーション創出推進事業など)を提示しました。

回答は抽象的な表現に終始せず、政府内の連携状況と具体的な施策が示されたため、国民への説明責任を果たしていると評価できます。

  • 誰にとって価値があったか: 政府が安全保障と産業政策を一体で推進する姿勢を確認できた国民と、具体的な政府の支援策や協力体制を知ることができた関連企業・団体。
  • 誰にとって価値がなかったか: 特に価値がなかった人はいません。

良い点:小杉参考人は国産比率3割という正確な数字を即答し、現在進行中のRFI(80社へのヒアリング)という具体的な取り組みを明示しました。小泉大臣は「民間市場拡大が大事」という質問者の主張に「全く同じ認識」と明言し、赤澤経産大臣との連携実績(ビデオメッセージなど)も挙げて信頼性を高めました。
やや物足りない点:具体的な数値目標(例:2030年までに国産何%にするか)や予算規模、規制緩和のスケジュールなどは示されなかったため、「今後どうなるか」のイメージはまだ曖昧なままです。それでも、現時点で進めていることと方向性をきちんと示したため、答弁としては十分に合格点以上、まあまあ良いレベルに達しています。


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