第219回国会 衆議院 予算委員会 第2号 令和7年11月7日(11/11)

外交・安全保障
国会情報(会議録)
【衆議院】 219回 質問: 黒岩宇洋 回答: 高市早苗 開催:2025/11/07

3行解説

POINT
  • テーマ:総理の深夜の行動による職員負担、議員定数削減の約束、外国人の土地取得ルール、北朝鮮との首脳会談についての質問と答弁です。
  • 質問者:立憲民主党・黒岩宇洋議員。総理の深夜行動の影響、議員定数削減の本気度、外国人の土地取得規制の考え方、日朝首脳会談の姿勢などを質問しました。
  • 答弁者:内閣総理大臣 高市早苗。深夜の行動の事情説明、議員定数削減は「成立を目指す」立場、土地取得規制は「必要なら検討」、日朝首脳会談は「最善を尽くす」と回答しました。

3分解説(くわしい説明)

① 深夜3時のレク(説明)で多くの職員が動いた問題

黒岩議員は「総理が朝3時に説明を受けるために公邸へ行ったせいで、多くの役所職員や警備の人が夜中から動くことになった。これはどう思うか?」と質問しました。

高市総理の説明

  • これまで基本的に“レク(説明)”は自分で資料を読むだけで、職員を呼びつけることはしていない。
  • しかし今回は急に総理になり、宿舎のFAXでは資料がうまく受け取れなかった。
  • そのため、答弁書が完成する時間に合わせ、やむをえず3時に公邸へ行った。
  • 付き添った秘書官やSPに迷惑はかけたと思う、と述べました。

黒岩議員は「総理としては早く公邸に引っ越した方がよい」と指摘し、総理も「忙しくて準備ができていないが、落ち着いたら早く引っ越す」と答えました。


② 「議員定数削減」は本当に臨時国会で成立させるのか?

維新の会との連立の中で「衆議院議員を1割削減する」という約束がありました。しかし合意文書の表現は、

  • 副首都構想 →「成立させる」
  • 定数削減 →「成立を目指す」

となっており、黒岩議員は「“目指す”は弱い。やらないこともあり得る」と追及しました。

高市総理の説明

  • 文字通り「成立を目指す」。
  • ただし与党が少数なので、必ず成立するとは言えない。
  • 各党に説明して協力を求める必要がある。

さらに、国勢調査の数字を見て議論する必要があること、国会側で新しい協議体ができたことなども理由として挙げ、「維新ともこの扱いについて話す」と述べました。

黒岩議員は「総理の説明は論理的だ」と一定の理解を示しましたが、「維新の主張とは差がある」とも指摘しました。


③ 外国人の土地取得に規制をかけるのか?

黒岩議員は「外国人や外国企業が日本の土地を買うことに規制をかけるつもりはあるか?」と質問しました。

高市総理の説明

  • まず実態把握が重要。
  • 必要があれば規制をかける可能性はある。
  • ただし国際的なルール(GATS協定)で、外国人を差別してはいけないという決まりがあるため、非常に難しい。
  • 取得自体を止める法律は現実的には困難で、税制や届出など、国際ルールに反しない方法を考える必要がある。

外務大臣(茂木氏)からも「GATSの約束を途中で変えた国は世界でほぼない」という説明があり、実際に規制は難しい状況であることが示されました。


④ 日朝首脳会談についての姿勢

黒岩議員は「総理は就任直後に北朝鮮へ首脳会談を打診したと言うが、拉致問題を『解決済み』と認めろと言われたらどうするのか?」と質問しました。

高市総理の説明

  • 外交の詳細や仮定の質問には答えられない。
  • ただし、首脳会談を実現させたいという強い覚悟を持っている。
  • 多くの国の首脳とも拉致問題を伝えており、最善を尽くす。

黒岩議員は「総理の諦めない姿勢に期待する」と述べ、質問を終えました。


■まとめ

この議論では、総理の行動が職員に与える影響、議員定数削減の約束の現実性、外国人土地取得の国際法上の難しさ、そして拉致問題への姿勢など、幅広いテーマが扱われました。総理は全体を通して「事情の説明」「慎重な姿勢」「国際ルールを踏まえた現実的な対応」「最善を尽くす」という立場を示しています。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い議論微妙な議論まあまあ良い議論

この議論は、質問者が複数の政策テーマ(深夜対応と職員負担、議員定数削減の合意内容、外国人土地取得規制、拉致問題)について、具体的な事実・経緯を踏まえた質問を行っており、政策の妥当性・実現性を検証する姿勢が見られます。そのため、国会質疑として一定の価値があります。
一方で、若干追及のための表現が繰り返される場面(「どちらか選んでください」など)があり、論点整理より圧迫的な言い回しと受け取られ得る部分があります。また、後半は質問範囲が広がり過ぎ、議論としての焦点が散漫になった部分もあります。
総体として、実質的な論点には踏み込んでおり「まあまあ良い議論」に該当します。

この議論は、いくつかの重要で具体的な政策課題(公邸入り、定数削減、土地取得規制、拉致問題)について行われましたが、特に定数削減土地取得規制に関するやりとりにおいて、質問者と回答者の間で前提や解釈、実現可能性に対する認識のすり合わせが十分に行われず、具体的な進展や明確な結論に至らなかったため、議論全体として生産性が低くなりました。

特に定数削減に関する質問は、連立合意書の「成立を目指す」という表現の違いを巡る追及に終始し 、総理側は「少数与党である」といった現状や国会の運営上の事情を強調したものの、質問者が求める政策的な明確な意志を示すことは避けました。また、土地取得規制についても、質問者は国際法上の困難性(GATS協定)を指摘したのに対し、総理は「諦めない」という個人的な決意を述べるにとどまり、困難を乗り越えるための具体的な戦略が示されませんでした。

その一方で、公邸入りの遅れについては、総理が職員への負担を認めつつ、答弁書を受け取る手段がなかったという具体的な事情を説明し、質問者もその懸念が解消されたかたちになった点では、一定の価値があったと言えます。

質問と答弁の両方が具体的で、国民が関心を持つ政策課題(深夜勤務の負担、議員定数削減、外国人土地規制、拉致問題)を真正面から扱いました。感情的な対立は少なく、事実確認と論点整理が進んだ点は評価できます。ただし、一部で質問者が同じことを何度も繰り返したり、総理を「言いくるめよう」とするような執拗さが見られ、議論がやや長文化・停滞した印象もあります。それでも全体としては国会らしい政策論争として一定の水準は保っていました。

質問者の評価

ChatGPTGeminiGrok
良い質問まあまあ良い質問まあまあ良い質問

・議員定数削減の「成立させる」と「成立を目指す」という文言の違いに注目し、政策実現可能性や合意の実質性を問う点は、立法府として重要なチェックであり価値があります。
・外国人土地取得規制について、GATS協定の制約や過去の国際事例まで踏まえて問う姿勢は、論理的で政策形成に資する質問です。
・質問が国民(特に政治に関心のある層、行政の透明性を求める層)に価値があり、政府の説明責任を促す役割を果たしています。
・ただし、定数削減の部分で「どちらか選べ」と迫る場面など、やや答弁者の立場を無視した圧迫的な言い回しがあり、議論の建設性をやや損ねる点があります。
総合すると、政策の核心を突く意義ある質問であり「良い質問」と評価できます。

質問者は、以下のような点で国政の重要課題を効果的に提起し、政府の責任を追及しようとしました。

  • 具体的な事実に基づく追及: 総理の早朝の行動が多数の職員の労働環境に影響を与えたという、具体的な事実を基に危機管理と公務員の負担について質問しました。
  • 連立合意の核心の追及: 連立政権の合意文書における「成立を目指す」と「成立させる」という表現の違いを突き、連立相手(維新の会)との政策的な齟齬や総理の真意を問いました。これは、政権運営の信頼性に関わる鋭い質問でした。
  • 政策の実現可能性への疑問: 外国人による土地取得規制について、WTOのGATS協定という国際法上の具体的な制約(内外無差別の原則)に言及し、その実現が極めて困難であることを指摘しました。これにより、勇ましい公約の裏にある現実的な壁を明らかにしようとしました。

一方で、定数削減に関するやりとりでは、総理が「目指すもさせるも同じ」という答弁をした後も、論理的な追及よりも「成立させるという理解でいいのか」「成立しない可能性を排除しないのか」という二者択一を迫る姿勢が目立ち 、深掘りというよりは言質(げんち:言質)を取ることに終始してしまい、議論を不必要に膠着させてしまった感があります。

良い点:4つのテーマすべてに事前準備がしっかりしており、連立合意書の文言の違いやGATS協定の過去事例など、専門的な知識を駆使して追及していました。特に外国人土地規制の部分では、国際法の難しさまで踏み込んで質問したのは質が高かったです。

気になる点:議員定数削減の箇所で「成立させる」と「成立を目指す」の違いに異常に固執し、同じ質問を6回以上繰り返したため、議事進行を妨げました。また「総理は維新に負けたんでしょ」「正直に言ってください」といった誘導的な言い回しが目立ち、国会質問としてはやや品位を欠く場面もありました。

回答者の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い答弁普通の答弁良い答弁

・総理は深夜の行動について具体的な状況を説明し、事実関係の透明性を確保しようとする姿勢が見られます。
・議員定数削減では、与党が少数であること、協議体の設置状況、国勢調査データの必要性など、現実的な制約を明確に伝えており、政策実行の実務的側面を示した点は評価できます。
・外国人土地取得規制では、国際法(GATSや内国民待遇義務)の制約を踏まえ、「規制は可能性があるが現実的には困難」と説明しており、事実に基づいた冷静な答弁です。
・拉致問題では、外交上答えられる範囲を守りつつ、姿勢と覚悟を示すバランスを取っています。

しかし、以下の弱点も見られます。
・質問者が明確な二択で迫った部分に対し、文言の繰り返しで逃げるように見える回答もあり、論点に真正面から応えていないと受け取られる可能性があります。
・連立合意の文言差異など、答弁の中に曖昧さが残る点もあり、結果として質問者が再追及せざるを得ない構造になっています。

以上を踏まえ、「まあまあ良い答弁」と評価します。

高市総理大臣は、質問に対して一定の説明責任を果たしつつも、特に政治的な意図に関わる部分では具体的な言及を避ける姿勢が目立ちました。

  • 公邸入りの説明: 職員への負担を認め、その原因が答弁書を受け取る手段の不備にあるという具体的な事情を説明した点は、説明責任を果たしています。
  • 定数削減への回答: 連立合意の表現の違いについて、「少数与党だから」「臨時国会は短い」という客観的な制約を理由に挙げ、「合意書に記載の通り『成立を目指す』に尽きる」と繰り返すことで、合意の重さや自らの強い意思を示すことを回避しました。この姿勢は、政権のトップとしての明確なリーダーシップや、政策実現への強い意志を期待する国民にとっては物足りないものとなります。
  • 土地規制への回答: 規制の必要性には言及しつつも、国際法(GATS)の壁に対する茂木大臣の補足説明(修正が極めて困難)もあり、総理自身も「相当困難なことは分かっている」「諦めない」という精神論的な表明に留まり、具体的な国際交渉の戦略を示すことができませんでした。

総じて、客観的な説明はありましたが、政策の実現性と政権の明確な意思という点で、質問者の追及に対して踏み込んだ回答や戦略を示すことができなかったため、「普通の答弁」という評価になります。

良い点:どの質問に対しても感情的にならず、自分の考えや現実的な制約(少数与党、国際条約、国勢調査のタイミングなど)を丁寧に説明しました。特に外国人土地規制では「自分は2011年から取り組んできた」「諦めない」と過去の実績と決意を示し、拉致問題では「自分の身がどうなってもいい覚悟」と強い言葉で国民に訴える姿勢を見せたのは、総理としての責任感が伝わりました。

気になる点はほとんどなく、質問が執拗になっても冷静に対応し続けた点は高く評価できます。ただし、議員定数削減の部分で「成立を目指すも成立させるも同じ」と言い切ったのは、やや言葉のすり替えに見えたため、維新や野党の一部からは不信感を招いた可能性があります。


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