第219回国会 衆議院 予算委員会 第2号 令和7年11月7日(8/11)

労働政策
国会情報(会議録)
【衆議院】 219回 質問: 長妻昭 回答: 高市早苗松本洋平 開催:2025/11/07

3行解説

POINT
  • このやりとりは、主に日本の生活、歴史、政治とお金、そして医療についての質問と、政府(総理大臣など)の考えの確認です。
  • 質問者の長妻昭議員は、生活保護の違法な引き下げ問題への謝罪、戦時資料の収集・保管防衛費の財源労働時間規制政治資金、そして大学病院の厳しい経営についてただしました。
  • 答弁者の高市内閣総理大臣は、生活保護の問題について反省とおわびを述べ、歴史認識は歴代内閣の立場を踏襲するとし、防衛国債は否定しませんでした。また、松本洋平国務大臣大学病院の赤字経営外国人患者受け入れの実態を説明しました。

3分解説(くわしい説明)

● 生活保護の扱いについて

長妻昭議員は、まず今年6月にあった 生活保護費を下げた政府の処分が「法律違反」だと最高裁に言われた問題 を取り上げました。
長妻議員は「政府はきちんと謝るべきだ」と求めました。

これに対して 高市総理(高市早苗)は

  • 「判断の過程に誤りがあったと最高裁に指摘されたことを深く反省し、おわびします」

とはっきり謝罪しました。
返金については「専門委員会で検討している」と答えています。


● 戦争の歴史の考え方(歴史認識)

長妻議員は、戦後80年を迎えるにあたり、
「日本は昔、植民地支配や侵略をしたと考えるか」と質問しました。

これに対して 高市総理は

  • 「政府がこれまで示してきた歴史認識を引き継ぐ」

と答えました。
これは、村山談話 など、歴代内閣が示した「侵略・植民地支配を認め、反省とお詫びを表明した立場」を続けるという意味です。


● 戦争資料の保管の問題

長妻議員は、今、民間に残っている戦争資料(特攻隊の手紙や軍刀、抑留の資料など)が、
日本の施設では預かってもらえず、韓国や中国の大学が引き取っている現状がある と説明しました。

長妻議員は「国がしっかり保管できる大きな施設を作るべきだ」と提案しました。

高市総理は

  • 「本当に断っているかどうか、保管スペースの状況も含めてまず調べる」

と、まず事実確認する姿勢を示しました。


● 労働時間・副業の問題

長妻議員は、
「残業時間が減って生活が苦しくなり、副業で無理をしてしまうという総理の答弁は誤解がある」と指摘しました。
労働時間は会社をまたいで合計されるので「副業だから働きすぎてOK」という仕組みではないためです。

高市総理は

  • 副業の労働時間が会社に正しく申告されていない例が多い
  • 健康を守るためにも働き方を検討すべき

と答えました。


● 政治とお金・租税特別措置(企業への特別な減税)

長妻議員は、企業が受け取る大きな減税(研究開発税制など)が、
どの企業にどれだけの減税が行われているのか公表されていない と問題提起しました。

また、公表されれば、政治献金との関係も透明になると提案しました。

高市総理は

  • 公表すると企業の経営戦略が分かってしまう危険がある
  • ただし「公益の必要性」があれば検討の余地がある
  • 租税特別措置は全体として見直しも検討している

と答えました。


● 大学病院の赤字と、外国人富裕層向け自由診療

長妻議員は、大学病院が赤字を埋めるために
中国の富裕層を自由診療で受け入れる営業活動をしている 現状を伝えました。
そのせいで日本人患者への最新医療が使いづらくなる心配も述べています。

文部科学大臣(松本洋大臣)は調査結果を説明し、

  • 外国人自由診療の患者数は病院によって6人〜約550人まで
  • 赤字の穴埋めが理由となっている病院がある
  • これは「本来あるべき姿ではない」
  • 次の診療報酬改定で、大学病院への適切な評価を検討する

と答えました。


●まとめ

この国会質疑では、
国の基盤である生活保障、歴史認識、働き方、税金の透明性、医療体制など幅広いテーマ が扱われました。

長妻議員は「人への投資」「格差解消」を軸に問題提起し、
高市総理は「調査して検討する」「反省を示す」「従来の立場を引き継ぐ」といった姿勢で答えています。

この議論のAIによる評価

議論自体の評価

ChatGPTGeminiGrok
良い議論まあまあ良い議論まあまあ良い議論

・生活保護判決、戦争認識、戦争資料保存、労働時間制度、租税特別措置、政治と金、大学病院の赤字問題など、複数の論点がすべて「制度的・構造的な問題」を扱っており、政策評価に直結するため国民的価値が高い議論であったためです。
・質問者は事実(最高裁判決、既存談話、制度の仕組み、税制の統計、大学病院の経営状況など)を引用し、質問の論点が一貫して明確であったため、議論が発散しにくく、国会質問としての質が維持されていました。
・回答者側も、多くの論点で「事実関係の確認」「現行制度の説明」「今後の検討姿勢」を明示しており、主要論点に対して一定の応答が成立していました。
・一部の論点(戦争資料の保存体制や租税特別措置の企業名公表など)は、回答が抽象的で踏み込みが弱かったため、議論としての深まりが不十分な部分もありましたが、全体として政策論として成立していました。

長妻議員は、生活保障、歴史認識、防衛財源、労働法制、政治と金、大学病院経営といった広範かつ重要度の高いテーマを質問しました。これらのテーマは、国民の生活や国のあり方に関する核心的な論点を含んでいます。

高市総理大臣(以下、高市総理)は、生活保護の件で「深く反省し、おわびを申し上げます」と述べたこと、歴史認識について「歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり」と答弁したことは、国政のトップとしての公式見解と責任の一端を示すものであり、一定の価値があります。

一方で、防衛財源(防衛国債)や労働法制(岩盤規制かどうか)、租税特別措置(企業名公表)といった政策の根幹に関わる論点については、「検討する」「判断を差し控える」「事実を確認できていない」といった回答が多く、具体的な政府の姿勢や方針を明確に示し切れていませんでした。特に、戦没者資料の保管問題は、長妻議員が具体例を挙げて深刻さを訴えているにもかかわらず、「まずは調べさせます」という実態把握から始める段階にとどまっており、問題解決に向けたスピード感や熱意に欠ける印象を与えました。

これらの点から、重要テーマが扱われたものの、政策決定に関わる核心的な部分での踏み込んだ回答や議論の深化が見られなかったため、「まあまあ良い議論」と評価します。

このやりとりは、生活保護判決、歴史認識、戦争資料の保存、労働時間規制、防衛財源、税優遇の透明性、大学病院の経営難など、多岐にわたる重要テーマを扱っており、国会審議として一定の意義があります。質問が具体的で資料に基づいている点や、政府側が初めて謝罪した点など、成果も見られました。ただし、テーマが飛び飛びで深掘りが不足しており、一つのテーマで徹底的に追及する構成ではないため、国民が「これで問題が解決した」と実感できるレベルには達していません。

質問者の評価

ChatGPTGeminiGrok
良い質問良い質問まあまあ良い質問

・質問の大半が、明確な根拠(最高裁判決、既存の談話文、税制の数字、大学病院調査の資料)を参照しながら制度の改善を求める形で構成されており、政策論点として妥当性が高い内容でした。
・質問が「国民の生活に直結するテーマ(生活保護・労働時間・医療体制・税金の使われ方)」に集中しており、対象の価値は広く国民一般に及びます。
・戦争資料の保管問題や大学病院の自由診療問題のように、通常は見落とされがちな制度的課題を取り上げ、問題提起としての価値も高いです。
・感情的な表現は部分的にみられましたが、議論全体に影響するレベルではなく、質問の明確さを損なってはいませんでした。
・複数テーマを短時間で扱ったため、一部論点は掘り下げが浅くなったものの、議会質問としての「社会的意義」「政策的妥当性」は十分高かったと言えます。

長妻議員の質問は、多岐にわたりながらも一貫して「人への投資」「格差是正」「歴史の教訓」という明確な軸があり、質問の構成が論理的です。

特に、以下の質問は議会質問としての適切性が高く評価できます。

  1. 生活保護費違法引き下げ問題:最高裁判決という司法の判断に基づき、行政の誤りを認めさせ、内閣総理大臣からの公式な「おわび」を引き出した点。これは、行政の責任を明確にする上で非常に重要です。
  2. 戦後歴史認識の確認:総理就任前の発言を踏まえ、現職総理としての「村山談話」等に対する立場を明確に確認した点。これは外交・内政の基盤に関わるため、国民への説明責任として価値があります。
  3. 防衛国債と戦前の教訓:「公債のないところに戦争はない」という財政法制定時の精神を引き合いに出し、安易な国債発行に警鐘を鳴らした点。
  4. 政治と金(租税特別措置の企業名公表):企業・団体献金と優遇税制の関連性を疑い、「金の力で予算がゆがめられていたら、これは絵に描いた餅になる」という問題提起とともに、透明性向上のための具体的提案を行った点。
  5. 大学病院の経営問題:赤字を埋めるための外国人富裕層勧誘という医療現場の深刻な実態を調査させ、その結果を発表させた点。これは、日本の医療のあり方が本末転倒になっているという警鐘であり、国民の医療アクセスに関わる価値のある情報提供となりました。

これらの質問は、政府の責任追及、政策の透明性確保、歴史観の明確化、そして国民生活に直結する課題の浮き彫りという、議会質問の役割を十分果たしています。

長妻昭議員は、最高裁判決を基に生活保護引き下げの違法性を追及し、政府に初めて謝罪を引き出すなど、明確な成果を上げました。戦争資料や大学病院の具体例も資料付きで提示しており、問題提起として価値があります。一方で、質問項目が8個以上と多すぎるため、それぞれが十分に深まらず、総理に「調べます」「検討します」と先送りされるケースが多くなりました。また「高市総裁が止めているということではないというふうに理解しました」などの誘導的な発言は、議会質疑としてやや礼節を欠く印象を与えます。

回答者の評価

ChatGPTGeminiGrok
まあまあ良い答弁普通の答弁普通の答弁

・生活保護判決への謝罪は、総理大臣として明確であり、議論の前進に資する内容でした。
・歴史認識についても、「歴代内閣の立場を引き継ぐ」と一貫性を持って回答しており、質問意図を外さない応答になっていました。
・戦争資料の扱いについては、即答を避け「まず事実確認を行う」と述べた点は行政的には妥当ですが、質問者の問題提起の具体性に対して回答が抽象的で、深度が不足していました。
・労働法制、副業の実態については一部で論点がずれた側面(質問者の誤解指摘に対し、申告率など別の話に重点が移った)があり、質問者の懸念と完全には噛み合っていませんでした。
・租税特別措置の企業名公表については、「競争上の不利益」を理由に慎重姿勢を示した点は制度観点として妥当ですが、結論を回避した印象も強く、質問意図(透明性の向上)には十分応じていませんでした。
・大学病院自由診療の件では、文科大臣の答弁を含め、調査結果を示し、改善の必要性に踏み込んだ点は評価できます。
・総じて、質問への直接的な回答と制度説明は一定水準にありましたが、全体として踏み込み不足の場面が複数見られたため、「良い答弁」ではなく「まあまあ良い答弁」と評価するのが妥当です。

高市総理の答弁は、以下の点で一定の評価ができます。

  • 謝罪と反省:生活保護費の問題について、「深く反省し、おわびを申し上げます」と公式な場で明言した点は、前進であり、国民に対する責任の示し方として適切です。
  • 歴史認識の継承:「歴代内閣の立場を全体として引き継いでおり」と回答し、現時点での政府の歴史認識を曖昧にせず、これまでの政府見解を踏襲する立場を表明した点は、外交上の混乱を避ける上で適切です。
  • 実態把握への言及:戦没者資料の保管問題や、大学病院の経営実態調査の結果を関係大臣(松本(洋)国務大臣)に答えさせた点は、問題の存在を認め、情報提供の姿勢を見せたと言えます。

一方で、以下の点で答弁の質を下げていると評価されます。

  • 具体的な政策への言及不足:防衛財源について「考えているのは事実」としつつも「防衛国債をつくるということは申し上げておりません」と断言を避け、租税特別措置の公表については「公益上の必要性があるかどうか」を判断するという消極的な姿勢にとどまりました。これは、国民が最も関心を持つ今後の政策方針について明確な見解を示すことを避けていると受け取られます。
  • 労働法制に関する誤解の可能性:副業に関する労働時間管理の質問に対し、「必ずしも適切に自己申告されておらず」「本業先に伝えずに副業を行う方もおられると考えている」と述べ 、労働時間の合算義務という法律の原則よりも、実態としての申告漏れに言及することで、質問の核心からずれた印象を与えました。
  • 斎藤隆夫代議士の議事録復活:自民党総裁としての立場で「前向きに進める」という回答を求められた際、「内閣総理大臣としてコメントすることは差し控えさせてください」と回答し、立法府の議論に距離を置く姿勢を見せました。質問者が自民党総裁としての見解を求めているにもかかわらず、その立場で回答を拒否したため、問題解決への意欲に欠ける印象を与えました。

高市早苗総理大臣は、生活保護判決に対して国会で初めて「おわび」を表明した点は評価できます。しかし、戦争資料の保存、防衛財源、租税特別措置の企業名公開、斎藤隆夫演説の議事録復元など、多くの質問に対して「調べる」「検討する」「差し控える」という消極的な回答に終始しました。特に「長妻議員御本人が昭和館に持ち込んだ資料を断られたということでございましょうか」など、質問者の発言を正確に把握していないまま反論する場面は、総理大臣として準備不足が目立ちました。全体として、具体的な方針やスケジュールをほとんど示さず、国民への説明責任を十分に果たしたとは言えません。


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